リステアでポップアップを開催する注目ブランド「Colville」の創設者にインタビュー | Numero TOKYO
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リステアでポップアップを開催する注目ブランド「Colville」の創設者にインタビュー

2019年8月9日(金)より、リステア ブティックにて「Colville(コルヴィル)」のポップアップイベントが行われる。コルヴィルは「Marni(マルニ)」出身の3人のディレクターたちが2018年に立ち上げた注目のコンテンポラリーブランドだ。

今回のポップアップは、この秋冬で3シーズン目を迎えるコレクションを紹介し、また、クリエイティブで刺激的なコルヴィルの世界観を表現するものになるという。

『VOGUE UK』の元ファッションディレクターで、マルニのスタイリングを手がけていたLucinda Chambers (ルシンダ・チェンバース)。マルニの元ウィメンズウェア・デザインディレクターのMolly Molloy(モリー・モロイ)、同じくメンズウェア・デザインディレクターのKristin Forss(クリスティン・フォルス)。3人の女性たちが手掛けるコルヴィルは、一体どんなブランドなのか。ポップアップを目前に控えた彼女たちにメールインタビューを試みた。

目指すのは“コミュニティ”

──コルヴィルの日本で初めてのポップアップイベントですね。ロンドン・香港・ソウルにも巡回するとか。

「私たちはリステアのショップが大好きで、志のあるデザイナーズブランドと同じ空間で並ばせてもらうのはとても光栄です。東京は驚くほど刺激的な街ですよね。香港とソウルには私たちの誰もまだ行ったことがなくて、どんなところなのか興味津々でワクワクしています」

──2019年秋冬は、コルヴィルの3シーズン目のコレクションですね。テーマや、キーとなるルックやアイテムがあれば教えてください。

「異なるテクスチャーの組み合わせ、美しいテーラリングとプリントのミックスに情熱を注いでいます。非常にフェミニンでありながら力強さも持ち合わせた今回のコレクションの手触りが私たちはたまらなく好きなのです。
それから、私たちはアップサイクルを強く意識していて、これまで発表してきた3つのコレクションすべてにおいて、ヴィンテージのトラックスーツのトップスから袖を作っています。ニットもまた強いピースですね。ゆったりしたシェイプですが、鮮やかで目立つアイテムです」

2019AWコレクションより
2019AWコレクションより

──サスキア・デ・ブロウをモデルに、Vincent van de Wijngaardが撮影したヴィジュアルが印象的です。他にもオフィシャルのファッションストーリーほとんどで、モデルはロゴ入りのセーターを着用していますね。

「ブランド設立当初から、コルヴィルの女性コミュニティを築きたいと考えています。コルヴィルの大部分は、友人たちとの協力で成り立っていて、参加してくれるスタッフには多大なる尊敬と信頼を寄せているので、彼らがどのようにコルヴィルのシグネチャーセーターを解釈してくれるかを、つねに楽しんでいます。驚きであり喜びですね」

──コルヴィルという名前はデヴィッド・ホックニーが1970年代に暮らしていたコルヴィル・テラスに由来するとのことですが、ブランド名はどのように決めたのでしょうか?

「コルヴィルはロンドンにあるとても素晴らしいエリアで、私たちはホックニーの大ファン。実のところ、名前の見た目も好きだというのも命名の由来です。
そして私たち自身はロンドンとミラノにたまたま住んでいますが、コルヴィルの拠点を決めているわけではなくて、オランダで活動しているデザインアシスタントもいます。それが結果的にインターナショナルな雰囲気を醸し出していて、ブランドの強みになるのかなと思っています」

──ロンドン、ミラノでお気に入りのショップはありますか?

「ミラノでは、必需品がなんでも揃うSan Lorenzo。アートセレクトショップのRossana Orlandi、素晴らしい写真集のコレクションがあるブックストアMicameraも大好きですね。ロンドンではBroadway MarketのDonlon books、Lamb’s Conduit streetにあるBen Penreathもお気に入りです」

長く着られる服、愛されるコレクションとは

──ファストファッションへのアンチテーゼを掲げていますが、シーズンを超えて長く着られるのは、どんな服だと考えますか?

「細心の注意を払って、美しく作られたすべての服は長く着られます。恋に落ち、ワードローブに入れておくことができ、あなたが70歳になっても着ることができるものですね」

──アーティスティックなテキスタイルや構築的なデザイン、職人の技術を感じられる服は、どうしてもマルニらしさを彷彿とさせますが、コルヴィルのコレクションは、よりコンテンポラリーで自由でスポーティに感じました。スタイリングも肝心のようですが、どんな人へ向けて、どんなことを大切にコレクションをつくりあげていますか?

「私たち自身がコルヴィルでトータルルックを作りたくて、ハットやジュエリー、シューズ、バッグなどトータルで提案しています。コルヴィルはとてもインディペンデントな精神を持っているので、私たちはカスタマーも皆それぞれ独自のユニークな着こなしをしてくれるだろうと思い描いているんです。日本の方にも、自由に楽しんでほしいです」

Colvilleディレクターの3人
Colvilleディレクターの3人

──2017年まで、Mollyさんはウィメンズ、Kristinさんはメンズのマルニのデザインディレクターをつとめ、Lucindaさんは「VOGUE UK」のファッションディレクターとして働く傍で創業当時からマルニのスタイリングを手がけていました。コンスエロ・カスティリオーニさんがクリエイティブ・ディレクターを退任したことを、あなたがたはどのように受け止められましたか?

「私たちはマルニで知り合う機会を持てたことをとても喜ばしく思っています。クリエイティブ・ディレクターの交代は、私たちが人生の次なるステージで一緒に新しいことを始めるにあたって、本当によいきっかけとなったと感じています。私たちにはたくさんのアイデアがあって、仕事におけるよき理解者で、ずっと、何か一緒に始めてみたいと思っていました。なので現在も特に役割分担を決めるわけでもなく、それぞれが好きなように好きなところを担当して、自然とそれぞれの役割に収まっています」

──近年、自分の感性にフィットするブランドに出会って愛用する「喜び」以上に、SNS映えするような「記号性」がより求められているようにも見受けられます。一方でコルヴィルには、あなたがたをサポートするクリエイターのコミュニティやファンとともにブランドを大事に育てていく「誠実さ」を感じるのですが、3人が目指すのはどのようなブランドでしょうか?

「そのように理解してもらえたら嬉しいです。デザインへの情熱が私たちのスタート地点。何を身にまとって、どんなふうにインテリアを飾るかまで、すべてにおいてデザインが私たちにとっては大切なことなんです。私たちが創造した服とイメージを受け止めてくれる女性たちがいて、そして着ることを楽しんでもらえることが最も重要なので、そのためにフォトグラファーと、被写体となるたくましい女性たちのコミュニティを持ち得たことは本当に素晴らしいことだと思っています」

「Colville:Installation」
会期/2019年8月9日(金)〜8月16日(金)
会場/RESTIR BOUTIQUE
住所/東京都港区赤坂9-6-17 2F
@colville_official @restirofficial

Interview & Text:Chiho Inoue

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