争いの地から共生を考える「自然国家展」@原美術館 | Numero TOKYO
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争いの地から共生を考える「自然国家展」@原美術館

崔在銀『hatred melts like snow (2019) ©Kim Taedong』(参考画像)Courtesy of the artist
崔在銀『hatred melts like snow (2019) ©Kim Taedong』(参考画像)Courtesy of the artist

東京・品川の原美術館にて、国際的に活躍するソウル生まれの女性アーティスト崔在銀(チェ・ジェウン)による展覧会が開催される。4月13日(土)から7月28日(日)まで。

崔在銀は1953年、韓国・ソウル生まれで、76年より東京在住のアーティスト。生け花という日本の伝統に心惹かれた彼女は、草月流の三代目家元であり、映画監督でもあった勅使河原宏のアシスタントとなった。その経験を背景に、生け花の世界観と彼女自身の感性を融合させることで、インスタレーションへと昇華させるのが彼女のスタイルだ。

Studio Other Spaces: Olafur Eliasson and Sebastian Behmann『Condensation pavilion』(参考画像)Courtesy of the artist
Studio Other Spaces: Olafur Eliasson and Sebastian Behmann『Condensation pavilion』(参考画像)Courtesy of the artist

今回の展覧会は、崔のプロジェクト「Dreaming of Earth Project」の構想を表現するもの。1953年の朝鮮戦争の停戦後に生まれた韓国と北朝鮮の間の軍事境界線、その南北両側2キロにわたって広がる非武装地帯(DMZ)には、65年もの長きにわたって人の立ち入りが制限されたことで、絶滅危惧種を含む多様な生物種を育んできた。崔はこの豊かな生態系と人々がともに生きる方法を探るために、このプロジェクトを2014年に立ち上げ、アーティストや建築家、思想家らとの対話を続けてきた。

Minsuk Cho『DMZ Vault of Life and Knowledge』(2016)(参考画像)Courtesy of the artist
Minsuk Cho『DMZ Vault of Life and Knowledge』(2016)(参考画像)Courtesy of the artist

そのヴィジョンを提示する本展のタイトルは「The Nature Rules 自然国家」。「自然国家」という言葉には、自然そのものが統治する国という意味が崔によって込められている。人間の対立によって生み出されたDMZの生態系と人間は、いかにしてともに生きるべきか。ぜひ、私たち一人一人の視点で考えてみたい。
 
 
「The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project」
会期/2019年4月13日(土)~2019年7月28日(日)
会場/原美術館
住所/東京都品川区北品川4-7-25
入場料/一般 ¥1,100 大高生 ¥700円 小中生 ¥500
休館日/月曜日(4月29日、5月6日、7月15日を除く)、5月7日、7月16日
時間/11:00〜17:00 水曜のみ20:00まで開館(祝日を除く)*入館は閉館30分前まで
TEL/03-3445-0651
URL/www.haramuseum.or.jp/jp/hara/exhibition/433/

Text : Ryoji Sugawara

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