荒木悠「ニッポンノミヤゲ展」@資生堂ギャラリー | Numero TOKYO
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荒木悠「ニッポンノミヤゲ展」@資生堂ギャラリー

  『LOST HIGHWAY (Sweded) 』(2018)
『LOST HIGHWAY (Sweded) 』(2018)

東京・銀座の資生堂ギャラリーにて、国際的に活躍する映像作家、荒木悠による個展が開催される。2019年4月3日(水)から6月23日(日)まで。

荒木悠は世界各地での滞在経験を生かし、その土地における文化の伝播と誤訳、その過程で生じる差異や類似などに着目した映像作品を制作する気鋭のアーティスト。彼の作品は世界各国の美術館や映画際で上映され、昨年はロッテルダム国際映画祭でTiger Awardを受賞するなど、国際的な評価も高い。

『Bivalvia: Act1』(2019)
『Bivalvia: Act1』(2019)

そんな荒木が今回作品の素材に選んだのは、フランス人作家、ピエール・ロティの著作『秋の日本』と、芥川龍之介の『舞踏会』。ロティは明治期に日本を訪れて紀行文を残しており、アジア圏の文化をヨーロッパからの目線からいきいきと描いた海外将校。『秋の日本』の「江戸の舞踏会」の章では、1885(明治18)年の鹿鳴館の舞踏会の様子が描写される。そして芥川の『舞踏会』には、舞踏会でロティの相手をした若い日本人女性が主人公として登場する。

 『ALMOST DOWN 』(2012)
『ALMOST DOWN 』(2012)

今年で100周年を迎える資生堂ギャラリーの創設前後に書かれた二つの作品を原作に、西洋と東洋の目線がクロスオーバーする情景を描き、100年後の人々に“時空を超えたお土産”を届けようとする荒木の作品。それは、時間、空間上の一点に対して、対称的な観点からアプローチする試みでもある。多様な文化やジェンダー、階層など、さまざまな差異が浮かび上がる作品を通して、多文化共生が求められる今の時代に必要なものは何か、ぜひ思いを巡らせてみよう。

「荒木悠展:LE SOUVENIRE DU JAPON ニッポンノミヤゲ」
会期/2019年4月3日(水)~6月23日(日)
会場/資生堂ギャラリー
住所/東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
入場料/無料
休館日/月
時間/平日11:00〜19:00 日・祝日11:00〜18:00
TEL/03-3572-3901

URL/www.shiseidogroup.jp/gallery/

Text : Ryoji Sugawara

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