ザ・リッツ・カールトンで体験する美食の旅
「ステラ ダイニング シリーズ」inシンガポール
ラグジュアリーホテルブランド「ザ・リッツ・カールトン」が行う、アジア太平洋地域の各地で活躍するミシュランスターシェフやパティシエによる、シンガポール、大阪、香港、北京のグルメな4都市を舞台にした食の祭典「Stellar Dining Series『星の饗宴』by The Ritz-Carlton」が2018年11月〜12月に初開催された。「ザ・リッツ・カールトン ミレニア シンガポール」にて幕を開けたイベントの模様をレポート。
ミシュランスターシェフ3人のコラボ・ディナー
アジアを代表するグルメシティ4都市、シンガポール、大阪、香港、北京にて、各地域ごとに、ザ・リッツ・カールトンのシェフたちがコラボレートし、それぞれのシグネチャーメニューや豪華な新メニューを提供するという、まさにグルメの祭典「ステラ ダイニングシリーズ『星の饗宴』」を、シンガポールで体験。まず、ロウ シェフの2品。前菜の盛り合わせ「チャーシュー 桂花ハニー、⼆重鍋の活アワビ、海塩、揚げトマト湯葉」では、トマトの濃縮された甘みにいきなり衝撃を受けました。何個でも持ち帰りたいほどでした。そして、香ばしい「揚げクリスピーダック、陳⽪」。
(左)ペアリングの1杯目はロスチャイルド家とリッツ・パリのWネーム「シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド・リザーブ・リッツ・ブリュット」。(右)クリスピーダックに合わせた赤ワインは「1996年 サン・テステフ シャトー・コス・デストゥルネル」。香り豊かで、しっかりしたタンニンだけど、重すぎず、期待を裏切らない好みの赤でした。
グオ シェフによる「蒸し蟹カスタード、ライスワイン インフュージョン、バラの⾹りの蟹のリエット、キャビア」「鱈のソテー、葱のソース、ワイルドライスの炒飯」。蟹はとりわけ大好物なので、蟹on蟹だけでも幸せなのに、そこに参入したキャビアの海の香りを纏った塩気が完璧に意気投合している感じです。
どれも見た目にも美しく、繊細で美味しいのですが、個人的に特に好みだったのが、チェン シェフのお料理。「カナダ産ロブスターのソテー、ほうれん草、グリーンペッパー」は、柔らかくほんのり素材の甘さを感じさせるロブスターと、ほどよくスパイシーなグリーンペッパー、ロブスターの旨味が凝縮されたソースとの絶妙なバランス。そして、一番のお気に入りだったのが実はデザートで、こちらもチェン シェフによる「極上ツバメの巣の冷製、梨、桂花ゼリー、クコの実」。梨のコンポートの中に隠されたツバメの巣の食感、甘さ控えめな優しい味わいがディナーの締めくくりにふさわしくなんとも上品。かなり満腹だったにも関わらずペロリと完食、おかわりしたくなるぐらいでした。
個性豊かな6品に、それぞれのシェフの得意技や感性、美意識が凝縮され表現されている。それらが一つのコースとして楽しめるという一石三鳥のまたとない機会でした。
シックスハンズディナー
料金/SGD 258
会場/Summer Pavilion
TEL/65-6434-5288
メインイベントの贅沢なシックスハンズディナーだけでなく、今回のグルメなシンガポールトリップでは、ブッフェスタイルでのランチ、ペストリーシェフのリチャード・ロンによるアフタヌーンティー、ミクソロジストのオスカー・メナによる新感覚カクテルを楽しめるニューカクテルエキスペリエンスと美食三昧の滞在となりました。
シンガポールの地元料理を満喫!ブッフェランチ
ランチタイムでは、7つのオープンキッチンを前に、多彩なシンガポール料理を味わえるレストラン「コロニー(Colony)」にて、伝統的なソウルフードをいただきました。
中国、インド、インドネシア、マレーシア、コンチネンタルに地元シンガポールのローカルフード、そして日本のお寿司まで、世界各地の食が集約されたブッフェスタイル。それぞれのオープンキッチンでシェフたちのパフォーマンスを見ながら選べるのもエンタテインメント性があって、思わず見入ってしまう。野菜やフルーツが棚にきれいに並べられたコーナーでは、これらを材料にお好みのフレッシュプレスジュースをリクエストできる。
あれもこれもと目移りしてしまうのですが、ここははやる気持ちをぐっとこらえ夜に余力を残すべく、本格的ながら、上品で贅沢にアレンジされたシンガポールのローカルフード御三家、ラクサ(写真上)、ハイナンチキンライス(左)、チリクラブ(右)を少しずつ味わうことに決定。
先ほど食した、ローカルフードのレシピがプリントされたプレートをお土産にいただきました!
極上の絶品アフタヌーンティー
そしてディナーの翌日には、壁に飾られているガラス彫刻のアーティスト、デイル・チフリーにちなんで名付けたれた「チフリーラウンジ」にて、パティシエのリチャード・ロンが腕をふるうスイーツを中心に、8コースからなる特別なアフタヌーンティーを。
ハイティースタンドには、タマゴとサーモンマリネのブリオッシュ、イベリコハムとチーズのサンドイッチ、ブラータとトマトのコンフィといったしょっぱい系4品に、ジャンドゥーヤとレモンコンフィを⽤いたヘーゼルナッツのプラリネ、アップルキャラメルとクリーム コンポート、ラズベリーアニス風味クレム、エキゾティックフルーツとアイボリーバニラといったバリエーション豊かなスイーツ4品。
(左)しっかりとしたコクのある味わい。「雛鳥の煮込みパイ包み マサラワイン風味 トリュフポテト」 (右)「Chihuly Vacherin」パンダンアイスクリーム、マンゴーソルベ、ライムジェリー、ココナッツフレークの上に、ガラス彫刻をモチーフにしたメレンゲをあしらったアーティスティックなパフェ。クリーミーなアイスに甘酸っぱいマンゴーとライムの酸味が融合したトロピカルな甘すぎない大人のデザート。アフタヌーンティーとは思えぬ充実した内容とボリュームでした。
8コース アフタヌーンティー
料金/SGD 59
会場/Chihuly Lounge
TEL/65-6434-5288
部屋に戻ると、まさに、「ステラダイニングシリーズ 星の饗宴」を象徴するかのような、惑星スイーツが用意されておりました。部屋からの最高の夜景と一緒にパチリ。(マリーナ・ベイからマーライオンまで一望できて、本当はもっと素敵な夜景です!)
ちなみに、生憎の天気でしたが、昼間の景色はこんな感じです。しかもこちらバスルームからの眺め!まさに絶景!
番外編1
館内で現代アート散策!
ザ・リッツ・カールトン ミレニアム シンガポールは、美術館級のアートコレクションを誇っているだけあり、館内至るところに大小さまざまな作品が飾られ、アートツアーが組まれているほど。なかでもいちばんの目玉は、エントランスの天井に吊るされた、まるで宙に浮かんでいるかのような巨大な彫刻。アメリカの現代アーティスト、フランク・ステラの作品。ほかにも、デイヴィッド・ホックニー、アンディ・ウォーホール、チュー・ウェイ、デイル・チフリーなどのアートが散りばめられている。館内を歩くだけでも、相当な宝探し気分。
エントランスロビーの宙に浮かんでいるかのように見える、フランク・ステラの彫刻は、実はサンバイザーからインスピレーションを受けたデザインだとか。
ニューヨーク水族館を訪問した際に白鯨にインスパイアされたシリーズ。138ものピースで構成された彫刻は、135章から成るハーマン・メルヴィルの代表的小説『白鯨』へのトリビュートだそう。
ジム&スパのフィットネスセンターの一角に飾られていたのは、個人的に大好きなアーティスト、デイヴィッド・ホックニーによるリトグラフのポートレート。描かれているのは、60年代に活躍したロンドンのファッションデザイナー、オジー・クラークの妻セリア・バートウェルとのこと。モノトーンで派手さはないけど惹かれる作品です。
コロニーのライブキッチン横に鎮座しているのは、中国人アーティストのチュー・ウェイの、等身大のフィギュア彫刻。お辞儀をしているのかと思いきや、なかなか身体能力高いバランスで静止しております。
番外編2
シンガポールの名所巡りツアー
ヴィンテージなトライショー(人力車)に乗り、まずは、旧市街へ出発。歴史的なコロニアル建築の建物の街並みをドライブ(!?)した後、ガラリと趣が変わる、未来都市な「マリーナ・ベイ」へ。
「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」にある、ドーム型植物園のクラウド・フォレストには、標高35メートルの山が霧と豊かな草木に覆われ、しかも屋内滝まで。空中に架けられた橋を歩いたり、滝の裏側に回ったり、下から上まで、各階ごとに見どころだらけ。二度目の訪問ですが、やっぱり引き絵のフォトジェニックさは圧巻です! 宮崎駿のアニメの世界に潜入したような気分に浸れます。
ちなみに、リアルな植物に混じって、植物を模した彫刻を発見!ゼンマイモチーフの愛らしいポップな植物は、小誌でもおなじみのフラワーアーティスト東信の作品。サイケデリックなランの毒々しい作品は、イギリスの現代アーティスト、マーク・クインのもの。
Gardens By The Bay
住所/18 Marina Gardens Drive,Singapore
URL/www.gardensbythebay.com.sg
そして、蓮の花の形をした建物が印象的な「アートサイエンス・ミュージアム」にて、チームラボの常設展示「FUTURE WORLD」を観賞。まだ、実はお台場のデジタルアートミュージアム「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」にも豊洲の「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」にも行けてなかったのでラッキーでした。
古き良きものと最先端の未来的なものが、すぐ近くに共存しているのはシンガポールでしか味わえない魅力かもしれません。
ART SCIENCE MUSEUM
住所/6 Bayfront Avenue,Singapore
URL/jp.marinabaysands.com/museum/
しかも、すごいことに、ディスティネーションツアーを終え、部屋に戻ると、テーブルの上には、数時間前に、人力車でスタートを切った際の記念ショットがフォトフレームにセットされ、さらに、ザ・リッツ・カールトンのトレードマークのライオンくんがマイ・イニシャル入りのシェフ姿に扮してお出迎えしてくれました。至れり尽くせりのホスピタリティとはこのことです。
シンガポールを皮切りに、日本の大阪、香港、北京の4都市を約1カ月に渡って繰り広げられた「ステラ ダイニングシリーズ『星の饗宴』」は、レストラン&バーのアイアンシェフたちの感性豊かな料理が披露される、またとないイベント。ザ・リッツ・カールトンを語る上で、なくてはならない独創的でクリエイティブな食という要素を五感で堪能できる、世界の食通を唸らせてきた美食の旅に出かけてみてほしい。
Stellar Dining Series『星の饗宴』
by The Ritz-Carlton
URL/www.ritzcarlton-stellardining.com/jp
The Ritz-Carlton Millenia Singapore
ザ・リッツ・カールトン ミレニア シンガポール
住所/7 Raffles Avenue,Singapore
TEL/65-6337-8888
URL/www.ritzcarlton.com/jp/hotels/singapore