林遣都と岡本玲が演じる三島由紀夫の愛憎劇『熱帯樹』 | Numero TOKYO
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林遣都と岡本玲が演じる三島由紀夫の愛憎劇『熱帯樹』

撮影:細野晋司
撮影:細野晋司

2019年2月17日(日)から3月8日(金)まで、シアタートラムにて三島由紀夫作『熱帯樹』が上演。禁断の愛を軸に家族の葛藤を描いた物語が、実力派俳優5人によって演じられる。そして演出は、2018年9月より歴代最年少で新国立劇場演劇芸術監督に就任した、小川絵梨子が手がける注目作!

三島由紀夫ならではの流麗なセリフで綴られる『熱帯樹』は、愛憎うずまく家族のあまりにドラマチックなストーリー。己の財産を守ることにしか関心がない資産家の恵三郎、夫の前では従順だがその財産を狙っている妻の律子、権力者の父を憎みながら母と妹の異常な愛に翻弄される息子・勇、愛する兄に母を殺させようとする妹・郁子、恵三郎の従妹である風変わりな同居人・信子が登場する。勇役に挑むのは林遣都、郁子を岡本玲が、信子は栗田桃子。妻の不貞を疑わない恵三郎役に鶴見辰吾。そして息子に夫を殺させることを企む律子を中嶋朋子が演じる。

演出を務める小川絵梨子は、翻訳劇を中心に目覚ましい活躍で注目を集めている気鋭の演出家。家族の愛憎を描いた2010年『今は亡きヘンリー・モス』(翻訳・演出)で数々の演劇賞を受賞し、18年9月より新国立劇場演劇芸術監督に抜擢された。そんな彼女にとって、本作は初の三島戯曲となる。

林遣都は、小川が演出した『ローゼン クランツとギルデンスターンは死んだ』(2017年)にも出演しており、「前作に続き再度小川さんの演出を受けられることを大変嬉しく思っています。日本の歴史に残る素晴らしい作家である三島由紀夫さんの戯曲を演じる事は恐ろしくもありますが、それ以上に大きな学びがあると思っています。人間の業や狂気に振り回されながら、共演者の皆さんと、濃厚な時間を過ごしたいと思っております」と語っている。

昨年、劇団た組。『壁蝨』で舞台初主演を務めた岡本玲は「三島由紀夫の愛憎劇、小川絵梨子さんの演出、そして役者は5人だけ。演劇好きならこの一文を読んだだけで震えるような作品に、まさか自分が出られるなんて。出演が決まってから今までずっと、まるで夢の中にいるようです」と語り、「この物語もどこか夢の中の出来事のように美しく甘く、刺々しく儚く、おぞましく厭わしい、愛憎劇。愛され方を知らない者は愛し方さえもわからず、歪んだ何かをこうも育ててしまうのかと恐ろしくなりました。作品を通してどんな自分の歪みに出会えるのか、どれだけ歪んだ愛の世界を愛せるのか、とても楽しみです」と頼もしいコメントを寄せた。

そして小川絵梨子は本作について「『熱帯樹』の世界観は寓話的でもあり、五人の登場人物たちは誰もが寂しくて孤独なんですが、実は一人一人が物凄く逞しさや力強さに満ち溢れていて、そこがたまらなく面白く思え、この五人からなる家族という単位の小さな集合体に、今とても魅力を感じています。本作が書かれたのは1960年ですから、既に半世紀以上も前になりますが、たとえ時代設定を現代に移し替えなかったとしても、今を生きる俳優の身体を通して上演することで、作品の世界観をリアルに表現できるのではないかと考えています」と語っている。
三島由紀夫の描いた倒錯的な世界観、愛について、小川絵梨子がどのように現代へと届けてくれるのか、2019年早々から見逃せない舞台です!

『熱帯樹』
作/三島由紀夫
演出/小川絵梨子
出演/林遣都、岡本玲、栗田桃子、鶴見辰吾、中嶋朋子
日程/2019年2月17日(日)~3月8日(金)(全21回公演)
会場/シアタートラム
チケット料金/一般¥6,800
ほか、高校生以下・U24など各種割引あり
※託児サービス、車椅子スペース取扱いあり

チケット取扱い/世田谷パブリックシアターチケットセンター
03-5432-1515(10~19時)
世田谷パブリックシアターオンラインチケット

<兵庫公演>
日程/3月12日(火)、13日(水)
場所/兵庫県立芸術文化センター
兵庫県立芸術文化センターチケットオフィス
TEL/0798-68-0255 10:00~17:00 月曜休み ※祝日の場合は翌日

<愛知公演>
日程/3月16日(土)、17日(日)
場所/東海市芸術劇場
メ~テレ事業
TEL/052-331-9966 祝日を除く月~金 10:00~18:00

Text:Hiromi Mikuni

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