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Culture Art

終了間近!「ゴードン・マッタ=クラーク展」へ

「ゴードン・マッタ=クラーク展」会場風景 写真:中川周
「ゴードン・マッタ=クラーク展」会場風景 写真:中川周

東京国立近代美術館にて、9月17日まで開催中の「ゴードン・マッタ=クラーク展」。この個展の開催を楽しみにしていたというスタイリストの谷崎彩による訪問レポート。(「ヌメロ・トウキョウ」2018年9月号掲載)

今だからこそ彼から受け取れるもの

「みんなが彼に憧れた」。そんな展覧会の告知ポスターを目にすれば、訪れないわけにはいかない。しかも、「アート、建築、ストリートカルチャー、食など多くの分野でフォロワーを生み続ける先駆者のアジア初回顧展」なんて紹介されたらなおのこと。

今展覧会はゴードン・マッタ=クラークの膨大なアートワーク(パフォーマンス)の記録であり、正直なところ、彼が活動していた同時期に作品にコミットした体験がないと理解するのが難しい。だから私たちは会場でその記録(作品)を前に必死に想像力を働かせながら、「いいなぁ、その場に居合わせたかったなぁ」と羨ましがることになる。

それにしても、内容がギッシリなので丹念に見ようとすると1日では終わらない。次回は彼が仲間と3年間だけ経営したというレストラン「フード」の記録映像をじっくり鑑賞してから会場を一巡、最後は北の丸公園を抜けて神保町でカレーを食べて帰ろうと決めている。

この展覧会はそういった余韻の部分も大事。それというのもマッタ=クラーク展を経験した帰り道、なんとなく東京の街の見方が変わっていることに気づいたから。オリンピックを前に変容していく現在の東京で、日常に起こっては消えてゆくささやかな事柄を、彼ならどのような視点で見つめ、表現するだろうか? そう私たちに考えるキッカケを作ったことこそが彼の作品なのかもしれない。建設中のビルを眺めながら、公園を呑気に歩きつつ、駆け抜けるように生きた早逝のアーティストについて考えていた。

レストラン「フード」の前で、ゴードン・マッタ=クラーク、キャロル・グッデン、ティナ・ジルアール 1971 年 個人蔵 Photo: Richard Landry ©The Estate of Gordon Matta-Clark; Courtesy Richard Landry, The Estate of Gordon Matta-Clark and David Zwirner, New York/London/Hong Kong.
レストラン「フード」の前で、ゴードン・マッタ=クラーク、キャロル・グッデン、ティナ・ジルアール 1971 年 個人蔵 Photo: Richard Landry ©The Estate of Gordon Matta-Clark; Courtesy Richard Landry, The Estate of Gordon Matta-Clark and David Zwirner, New York/London/Hong Kong.

ゴードン・マッタ=クラーク展

会場/東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
住所/千代田区北の丸公園3-1
会期/2018年6月19日(火)~ 9月17日(月・祝)
休館日/月曜(9/17は開館)
開館時間/10:00-17:00(金・土曜は10:00〜21:00)*入館は閉館30分前まで
TEL/03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL/http://www.momat.go.jp/

「MOMATサマーフェス」開催中!

金曜・土曜はナイトミュージアムとして夜9時まで開館し、お得な割引料金で観覧できる。芝生の緑が心地よいガーデン・カフェも、夜はビアバーとして楽しんで。毎週金曜には「フライデー・ナイトトーク」も開催。9月17日(月・祝)まで。詳しくは公式サイトへ。

Profile

谷崎彩(Aya Tanizaki)スタイリスト。代官山にあるセレクトショップ「A.Y.A.」(@aya_since1998)のオーナーでもある。2000〜04年、フランスのインディペンデントマガジン『Purple fashion』のスタイリスト兼ファッションエディターを務めた。2001年、NYのアレッジド・ギャラリーで開催されたスーザン・チャンチオロの展覧会「RUNレストラン」にて、一日シェフを務めた経験あり。

Text:Aya Tanizaki Edit:Sayaka Ito
「ゴードン・マッタ=クラーク展」会場風景 写真:中川周

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