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Culture Art

“現代の魔法使い”落合陽一:代表作と早わかりキーワード集

『A Colloidal Display』(2012年)本来であれば光を透過するはずのシャボン玉に超音波を当て、波形を制御することで映像を映し出す。
『A Colloidal Display』(2012年)本来であれば光を透過するはずのシャボン玉に超音波を当て、波形を制御することで映像を映し出す。

人呼んで、ウルトラテクノロジーを操る“現代の魔法使い”。メディアアーティスト/研究者にして、レトルトカレーをストローで吸うなど、全身が未来すぎる希代のジーニアス落合陽一が表参道GYREにて個展を開催中。その世界観を理解するための、これまでの代表作とキーワードを紹介する。

“現代の魔法使い”と呼ばれる理由
浮遊するオブジェや触れる光の絵など、物理現象を魔法のように操る落合陽一。その思想的背景はこうだ。社会学者のマックス・ヴェーバーは、科学技術が迷信に満ちた世界を“脱魔術化”したと説いた。しかし、さらに進んだ技術は魔法と見分けがつかなくなる。この“世界の再魔術化”こそ、落合の表現テーマでもあるという。


Fairy Lights in Femtoseconds』(2015年)フェムト秒(1000兆分の1秒)単位の超短パルスレーザーで空中に“手触りのある光の絵”を描く。

最重要ワードは「デジタルネイチャー」
落合陽一が自らの思想として掲げる「デジタルネイチャー(計算機自然)」という言葉。そのこころは、遍在するテクノロジーによってデジタルとアナログ、リアルとバーチャルが融合し、人間と環境が新たな自然を構築する世界。それは、人間の解像度を超えた技術が“魔術化”していく未来社会の姿でもある。


『Levitrope』(2017年)回転しながら浮遊する球体に周囲の光景が映り込むインスタレーション。

天才の栄養補給はレトルトカレー流動食
2017年11月、テレビ番組『情熱大陸』に登場した落合陽一。その食事風景に、日本中のお茶の間がざわついた。道を歩きながらレトルトカレーにストローを刺し、具を潰して吸っている…。研究に没頭するため、カレーをご飯にかける時間が惜しく、ご飯を食べて眠くなるのもイヤ。これが最適解だと自らTwitterで公言した。


アリスの時間/looking glass“time”』(2012年)円環状に配置された時計とレンズが『不思議の国のアリス』のように奇妙な時間軸を体感させる。

好きなブランドはヨウジヤマモト
その独特なキャラクターを語る上で欠かせないのが、特徴的なモノトーンの出で立ち。服選びの時間さえも効率化したいという信念と、ブランドが持つ侘び寂びや日本美への共感から、すべてのワードローブを敬愛するヨウジヤマモトで取りそろえている。こうして、時間の効率化と美意識を両立させたライフスタイルを実現した。

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Profile

落合陽一(Yoichi Ochiai)メディアアーティスト、研究者。1987年、東京都生まれ。東京大学大学院博士課程を飛び級で修了後、ピクシーダストテクノロジーズ 株式会社を創業。2015年より筑波大学図書館情報メディア系助教、17年より学長補佐 、准教授・デジタルネイチャー推進戦略研究基盤代表。一般社団法人未踏理事などを兼任、受賞多数。(Photo: Shuya Nakano)

Edit & Text : Keita Fukasawa

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