ダニエル・アーシャム新作展@NANZUKA&ペロタン東京
アメリカ人アーティストのダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)による個展が、6月30日(土)まで、東京・渋谷のNANZUKAと六本木のペロタン東京の2カ所で同時開催!
ニューヨークを拠点に幅広い活動をみせる、米国人アーティストのダニエル・アーシャム。彼の作品はいずれも、「Fictional Archeology」(フィクションとしての考古学)のコンセプトに基づいて制作されている。その表現方法は、立体作品やペインティング、インスタレーション、パフォーマンスなど多岐にわたり、近年は映像作品の制作にも力を入れているという。
渋谷のNANZUKAでの開催は今回で2度目。「アーキテクチャー・アノマリーズ(Architecture Anomalies)」というタイトルどおり「科学的常識、原則からは説明できない逸脱、偏差を起こした現象を含む構造」をテーマにした新作で構成されている。浸食した壁、壁と同化した布、身体性を連想させる布……といったインスタレーションを中心に作品を展示。会場は、“空間とアート作品との関係性”、 “見る者の認識と身体感覚との関係性”といったテーマに対する、アーティストの関心と研究が反映されているかのよう。
『Draped Figure』(2018) Courtesy of the artist and NANZUKA
また、六本木のペロタン東京では、アーシャムの個展「カラー・シャドウ」が同時開催されている。一方、こちらでは、地質物質、石膏、金属、アーシャム初となるブロンズを用いた鋳造作品が一堂に展示。
『Color Chiaroscuro Bear』(2017) Courtesy of Perrotin
こちらの展示でも、作品と建築・空間との関わりを重視しており、今回の作品の一端である子どもらしいぬいぐるみの形をした鋳造作品は、展示スペースでの作品同士の関係性を留意しながら戦略的に配置されている。
『Patch 11』(2018),Courtesy of Perrotin
また、過去の作品であるクッキーモンスター、バットマン、スマイリー・フェイスを用いたオリジナル・ワッペンから引用し拡大して創られた特殊形状壁作品は、目をみはる細密な創りによってこれまで見ることのできなかったディテールを明らかに。
「これらの作品は典型的なポップ・カルチャーのアイディアに基づいており、『Fictional Archeology』の作品セレクションと類似しています。 これまでも、異文化間においても象徴的かつ容易に認識できる作品をセレクトしてきました。 これらの作品は、私としては、ニューヨークやシカゴと全く同様に日本にも存在できるはずだと思うのです」とアーシャムは語っている。
2会場をつなぐ作品『Falling Clock』に加え、NANZUKAでの展示内容とは異なる、ポップさを秘めた一連の作品が展示される。
ペロタン東京での展示の様子。Courtesy Perrotin
常に新しい素材の探求と実験を繰り返しているアーティストの、異なる側面が同時に見られるこの機会。お見逃しなく!
「アーキテクチャー・アノマリーズ」
会期/2018年5月23日(水)〜6月30日(土)
会場/NANZUKA
住所/東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F
入場料/無料
時間/11:00〜19:00
休廊日/日・月曜日、祝祭日
時間/03-3400-0075
URL/nug.jp/
「カラー・シャドウ」
会期/2018年5月23日(水)〜6月30日(土)
会場/ペロタン東京
住所/東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F
入場料/無料
時間/11:00〜19:00
休廊日/日・月曜日
時間/03-6721-0687
URL/www.perrotin.com/exhibitions/daniel_arsham—color-shadows/6540
Text : Manami Abe