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Culture Post

アメリカ発の新型Kawaii! メタフィジカルな女の子「Poppy」とは?

2014年にYoutubeに謎の動画を次々に投稿し、ネット界の話題をさらったPoppy(ポピー)。Diploが主宰するレーベル「Mad Decent」から昨年デビューし、1stアルバム『Poppy.Computer』は、ローリングストーンズ誌の「20 Best Pop Album of 2017」にチャートインした。音楽界からも注目される、SNS時代の新型ポップアーティスト・ポピーとは一体何者なのか?

1 YouTubeから現れた正体不明の新型アーティスト

バーチャルインフルエンサー、ミクエラ・ソウザがハイファッションを着こなしたり、AIスピーカーが暮らしの中心になったり、バーチャルとリアルの境界がますます曖昧になっている2018年。音楽界でもそのボーダーを自由に往来する新しいタイプのアーティスト「ポピー」が注目されている。

彼女がこの世界に初めて登場したのは2014年。ブロンドのロングヘア、大きな瞳というドーリーなルックスで、ひたすら綿あめを食べるだけの動画や、10分間「アイムポピー」と唱え続ける動画を配信。ネットでは瞬く間に話題となり、その正体を巡ってロボット説、アートプロジェクト説、さらにはカルト宗教説まで浮上したという。

10分間「私はポピー」と繰り返すだけなのだが、再生数は1,500万回。

日本について語っている動画もある。意味は特になさそう。

シャーロットという黒髪のマネキンがたびたび登場。こちらの動画ではシャーロットがポピーにインタビュー。「オー!マイキー」を彷彿とさせる不条理さ。

シャーロットはヌードも披露。「ポピーやってみろ」と何やら挑発的。


2 ただの不思議ちゃんじゃない! 実力派ポップアーティスト

プロデューサーのタイタニック・シンクレアと作り上げたポピーの奇妙な世界。これらの動画を見ると、単なる「面白ユーチューバー」だと思うかもしれない。でも、彼女はれっきとしたアーティストだ。2015年に『Bubblebath』とシングル「Everybody Wants to Be Poppy」をリリース。一方でワシントン大学医学部の協力を得た実験的なアルバム『3:36(Music to Sleep)』も制作している。そして2017年に『Poppy.Computer』で本格デビューを飾った。デヴィッド・ボウイとマドンナを愛し、好きなセレブはマリリン・マンソンだという彼女。キラキラしたエレクトリックサウンドに乗せて、アイロニカルな歌詞をエアリーなボーカルで軽やかに歌うポピーは、アメリカの歴代ポップシーンと日本の「Kawaii」、ネットカルチャーがミックスした2018年の新型ポップを体現しているのだ。

日本人プロデューサー、Ryosuke “Dr.R” Sakaiを迎えた「Moshi Moshi」。Jポップ風のメロディと不思議な日本語がクセになる1曲。

90年代のマドンナをアップデートしたような「Money」。歌詞は結構シビア。

エアリーな歌声とエレクトリックなビートが心地よい「Bleach Blonde Baby」。ポピーは7フィートの「つけま」をつけてるらしい。

日本では予告編しか観られないが、『I’m Poppy』というカルト映画の香りがする動画を配信中。サンダンス映画祭でも公開された。

3月に開催された「POPSPRING 2018」では、プロデューサーのタイタニック・シンクレアとともに来日し、アンドロジナスなキュートさに加え、パワフルなパフォーマンスで観客の心を鷲掴みにした。そしてポピーは、全米ツアーやロンドン公演などで、世界中に「Poppy Seeds」を拡散中だ。次世代ポップアイコンの筆頭候補である彼女。今後の動向に注目しよう。

Text:Miho Matsuda

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