撮影OK! 現代アーティスト小沢剛による“パラレルな美術史”
現代アーティスト・小沢剛による、初期の代表作から最新作までを網羅する大規模個展がスタート。千葉市美術館で2月25日(日)まで開催される。
世界各地で自作の地蔵を建立し、写真に収める『地蔵建立』(1989年〜)や、牛乳箱でつくられた超小型移動式アートギャラリー『なすび画廊』(1993年〜)、世界各国の女性が野菜で出来た武器を持つポートレートシリーズ『ベジタブル・ウェポン』(2001〜)など、ユーモアあふれるプロジェクトを展開してきた現代アーティスト・小沢剛。
関東では久々の開催となる本展覧会の見どころは、新作インスタレーション『不完全』。かつてヨーロッパで生み出され、日本で独自の発展をとげた「石膏像/石膏デッサン」がテーマとなっている。芸術表現が多様化した今日まで、教材として用いられ続けている石膏像が作品に昇華される。
また、初期の代表作も。日本人に欠かせない調味料である醤油が、かつて画材として使用されていたという架空の設定のもと、日本美術史の名作を醤油でリメイクした『醤油画資料館』(1999年)や、”戦争画家”として時代の流れに翻弄された藤田嗣治をモデルに、史実とフィクションが入り交じった物語をつくり出した『帰って来たペインターF』(2015年)などが展示される。
『帰って来たペインターF』(2015年)
そして、本展では展示室での写真撮影が可能。2018年のアート初めは、小沢が生み出す「パラレルな美術史」に浸ってみては。
小沢剛 不完全-パラレルな美術史
会期/2018年1月6日(土)~2018年2月25日 (日)
会場/千葉市美術館
住所/千葉県千葉市中央区中央3-10-8
入場料/一般 1200円、大学生 700円
時間/10:00~18:00(日~木曜日)、10:00~20:00(金・土曜日)
休館/2018年2月5日(月)
TEL/043-221-2311
URL/www.imperfection.info/
Text : Manami Abe