「石内 都 肌理(きめ)と写真」@横浜美術館 | Numero TOKYO
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「石内 都 肌理(きめ)と写真」@横浜美術館

母親の遺品を撮影した「Mother's」や被爆者の遺品を撮影した「ひろしま」で知られる写真家、石内都。2017年にデビュー40周年を迎えた彼女の大規模個展が横浜美術館で開催中。

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《Mother’s #35》2002年 ©Ishiuchi Miyako

建物や皮膚、遺品などに残された生の軌跡から記憶を呼び覚ます石内都。横須賀からキャリアをスタートし、デビュー40周年を迎える彼女が“肌理(きめ)”をテーマに約240点を自選した。“肌理”は彼女の作品を理解するためのキーワードだ。

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《ひろしま #106 Donor: Hashimoto, H.》2016年 ©Ishiuchi Miyako

1979年に女性として初めて木村伊兵衛写真賞を、2014年にはアジア人女性として初めてハッセルブラッド国際写真賞を受賞している石内都は、女性写真家のパイオニア。母親の遺品をとらえた「Mother’s」、2007年から続けられている被爆者の遺品を撮影した「ひろしま」、フリーダ・カーロの遺品を撮影したシリーズ…。それら遺品と対話するシリーズは遺品たちのイメージを解放し世界各地で共感を呼んでいるという。

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《不知火の指 #1》2014年 ©Ishiuchi Miyako

また、病気や事故の傷跡を題材にした作品も彼女のライフワークの一つ。彼女にとって生きることの根源的な意味を問い直す作業だという。「不知火(しらぬい)の指」は、作家、石牟礼道子の手足を接写したシリーズだ。他にも、横浜を撮影した最初期の写真を展示。彼女の原点にも触れることができる。

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《yokohama 互楽荘 #2》1986-87年 ©Ishiuchi Miyako

建物に皮膚に織物に、封じ込められた時間と記憶の生々しい手触り。石内都が40年をかけてすくい上げてきたものをぜひ感じてほしい。

「石内 都 肌理(きめ)と写真」
会期/2017年12月9日(土)〜2018年3月4日(日) 
会場/横浜美術館
住所/神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間/10:00〜18:00(3/1は16:00まで、3/3は20:30まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日/木(3/1は開館)、年末年始(12/28〜1/4)
TEL/045-221-0300
URL/http://yokohama.art.museum/

Text:Sayaka Ito

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