面倒で切なくて、どこか可笑しい「家族」のすがた
映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』が11月4日に公開される。グラブルや資生堂、ソフトバンクなど、話題のCMを数多く手がけてきた森ガキ侑大の長編監督デビュー作となり、脚本家、山﨑佐保子とタッグを組んだオリジナル作品だ。
恋人とセックスをしていた吉子(岸井ゆきの)が電話で祖父の訃報を聞き、「おじいちゃん、死んじゃったって」と父・清二(光石研)に告げるところから映画は始まる。通夜に葬式、残された祖母の世話、やること考えることは山積みなのに、清二は叔父の昭男(岩松了)とすぐにケンカを始めるし、誰も祖父の死を悲しんでいないのではないかと吉子は思う。インドで撮られた人間の死体を食べる野良犬の写真が心を離れず、インドや生と死について考える吉子。そして祖父が死んだときに自分がセックスをしていたことに罪悪感のようなものを覚える。
家族の死という、遠い場所の話のようで当たり前のことが起こることで、これまでに持つことのなかった感情を持て余す主人公。違う世界からやってきた叔母(水野美紀)と、家族の意外な一面に触れてその感情を消化しながら成長していく彼女の姿が、家族について、生と死について、あらためて私たちに考えさせてくれるだろう。岸井ゆきのはじめ若手俳優たちと、ベテラン俳優たちとの絶妙な絡みは必見! ロケ地熊本の美しさ、Yogee New Wavesが書き下ろした主題歌も色を添える。
『おじいちゃん、死んじゃったって。』
監督/森ガキ侑大
原作・脚本/山﨑佐保子
出演/岸井ゆきの、岩松了、美保純、岡山天音 水野美紀、光石研
URL/http://ojiichan-movie.com
11月4日(土)より、テアトル新宿[東京]、テアトル梅田[大阪]、Denkikan[熊本]ほか全国ロードショー
© 2017『おじいちゃん、死んじゃったって。』製作委員会
Text:Sayaka Ito