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Culture Art

WOW: arts #10
『洸庭』──名和晃平との瞑想空間

 

まさに鮮烈。日本発、映像から空間、伝統工芸から仮想現実までを操る先鋭的創造集団「WOW」。 その地平をさらに進化させるべく発足した「ART」部門へ、新たにラインナップされた作品をご紹介しよう。

Text:Keita Fukasawa

建築家・藤森照信の寺務所建築に、千利休が手がけた極小の「一畳台目」の茶室の復元、白隠禅師の禅画など、数多くの見どころで知られる広島県福山市の禅寺「天心山神勝寺(てんしんざん しんしょうじ)」。2016年、庭園を巡り、雲水が食すスタイルの“うどん”や茶菓子をいただくなど、禅の心を感じる体験へといざなう「神勝寺 禅と庭のミュージアム」のオープンとともに、日本を代表する彫刻家・名和晃平とSANDWICH設計によるアートパビリオン「洸庭(こうてい)」が姿を現した。

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WOWが名和晃平とともに手がけたのは、「洸庭」の内部に広がる瞑想のためのインスタレーション空間。建物の外観は、建仁寺の屋根などに見られる伝統工法「こけら葺き」による数十万枚の木の板でなめらかに覆われ、宙に浮かぶ舟を思わせる。スロープを上った入り口の奥は暗闇、そして、ごくかすかな光がたゆたう水面──。

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「映像は『波』によって『光』に還元される。(中略)映像という移ろいやすいメディウムが、『光』にまで還元されて初めて、現象の再現性、物語性、そして永続性を持ち得えた。これは映像表現の本質的変革であり、変革は瞑想の苗床である静寂と闇の中から生まれた」
(WOW コンセプター 田崎佑樹、WOW クリエイティブディレクター 中路琢磨のコメントより)

さざめく波に映り込み、光へと還元された映像と、静かに浮かび上がる精神の水際。鑑賞者自身の最奥で、WOWのアート表現が目指す生命現象=「アニマ」が刻一刻と胚胎され、そして消えていく。

WOW ART
www.w0w.co.jp/art/

『洸庭』
www.w0w.co.jp/art/kohtei/

神勝寺 禅と庭のミュージアム
szmg.jp

Profile

深沢慶太(Keita Fukasawa) フリー編集者、ライター、『Numero TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numero TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集やインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)などがある。『Numéro TOKYO』では、アート/デザイン/カルチャー分野の記事を担当。

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