“時間と光”を追う、45年の歩みを展示
写真・映像を「時間と光」というエッセンスによって捉え、1960年代末より活躍してきた作家・山崎博氏。彼の仕事を辿る展覧会が、東京・恵比寿の東京都写真美術館で開催中だ。
本展では、長時間露光によって太陽の光跡を視覚化した代表シリーズ『HELIOGRAPHY』をはじめ、『水平線採集』や『櫻』のシリーズなど代表的な写真作品と、また作家が写真と平行して追究してきた映像作品、さらに新作を含む出品点数約200点を展示。 「太陽」、「海」、「櫻」といった普遍的なイメージに一貫して向き合ってきた作品は、対象と装置、被写体とイメージの関係性を示唆するとともに、光の表現の豊かさ、美しさを感じさせる。 さらに70年代の初めには、自宅の窓のような制約のある風景や、特徴のない単純な海景などを被写体に、写真を撮る行為の中で起こった偶然性に身をまかせるようなスタイルで、作品をつくってきたという。「計画がなければ偶然もない」という山崎氏の言葉通り「計画と偶然」の二つの要素が相互に作用して生まれる作品も、本展のキーとなっている。 現代のコンセプチュアルな写真・ 映像の先駆者と言える山崎博の歩みを、45年以上のキャリアとともに、じっくりと堪能したい。 「総合開館20周年記念 山崎博 計画と偶然」 会期/2017年3月7日(火)〜5月10日(水) 会場/東京都写真美術館 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 時間/10:00~18:00(木・金曜は〜20:00) 休館/月曜※ただし5月1日(月)は開館 観覧料/一般 600(480)円/学生 500(400)円/中高生・65歳以上 400(320)円 ※( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引/小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料 TEL/03-3280-0099 URL/topmuseum.jp/
Text:Akane Naniwa