日常的なイメージから見える社会の本質とは?
スイス人アーティスト、ペーター・フィッシュリとダヴィッド・ヴァイスの展覧会が、東京・東神田のTARO NASUにて開催中。日常的なイメージや、常識を覆すかのような、彼らの鋭い眼差しを感じさせる立体作品、写真作品が公開される。
ともにスイス生まれのアーティスト、フィッシュリとヴァイス。2003年のヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞、2016年にはグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)で回顧展が行われるなど、世界的に注目されている。 本展のメインとなる写真作品「フォトグラフィア」は、ポストカードサイズの写真に、遊園地の乗り物などの外壁にカラフルに描かれた猫や人、機関車や乗り物、自然や宇宙などが写しだされたもの。クローズアップやモノクロ、露出を変えることで既存のイメージと異なる世界を、そして夢や恐怖といった人の内面を映し出す作品だ。 彼らは作品で、鋭い洞察力で平穏で何気ない日常に溢れている意外性や矛盾に焦点を当てる。身近な素材とキッチュな仕掛けによって軽やかに捉え、皮肉とユーモアを織り交ぜながら、人間社会の本質を浮き彫りにするこの作品群は、新しい価値観をもたらすことだろう。 「Peter Fischli David Weiss Fotografias」 会期/2017年3月4日(土)〜4月1日(土) 会場/TARO NASU 東京都千代田区東神田1-2-11 時間/10:00〜18:00 休館/日・月曜、祝日 TEL/03-5856-5713 URL/www.taronasugallery.com/exh/exh_index.html
Text:Akane Naniwa