80人の “カメラ女子” を写した作品!?アン・コーリアー展@青山 | Numero TOKYO
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80人の “カメラ女子” を写した作品!?アン・コーリアー展@青山

Anne Collier『Women With Cameras』, 2016, Courtesy of the artist ; Anton Kern Gallery, New York ; Corvi-Mora, London ; Marc Foxx Gallery, Los Angeles ; The Modern Institute / Toby Webster Ltd., Glasgow ; Galerie Neu, Berlin

友人が、古着屋でトレンチコートを買った。
使用感もほとんどなく、デザインも悪くない。なのに、3000円ポッキリだったという。その理由を聞いてみると、友人はコートの裏地に真っ赤な糸で刺繍された「高橋」の文字を見せてくれた。
どこかのある人が廃棄したモノ、そして「物語」が全く別の場所で生き続ける……。青山のRAT HOLE GALLERYで開催中の、アン・コーリアー日本初個展「Women With Cameras」のテーマは、そこにあるのではないだろうか。

1970年ロサンゼルスに生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動するアーティスト、アン・コーリアー。彼女は写真という表現を通して、自伝やノスタルジーといった個人的なものから、ジェンダーの問題といった大きなものまで、「物語」を、あるいは「歴史」を考察してきた。 今回出品される新作『Women With Cameras(Anonymous)』は、アマチュアが撮影した35mmフィルムのスライド80枚で構成された、スライドプロジェクション作品だ。アーティスト自身が蚤の市やネットオークションで蒐集したそれらの写真、撮影された時期や場所は様々だが、いずれも “カメラを構えた女性” が被写体になっている。 もともとの所有者が破棄した写真たち、それをアーティストがパッチワークのように繋ぎ合わせ、編集することで、また別の大きな作品が作り出される。すでに元の物語からは切り離されてしまっているにも関わらず、一つひとつの写真から、あるいはそこに映る女性からは、物語の存在がしっかりと漂ってくる。 考えてみれば、アートに触れるというのは、他人の物語に触れるということだ。そして、そこからは多くのものを得ることができる。新しい1年の青写真を描くためにも、アン・コーリアーが紡ぎ出す “他人の物語” を見に行ってみてはいかが? (それにしても友人の “高橋トレンチ” 、かっこよかったなぁ……) Anne Collier展「Women With Cameras」 会期/2016年11月11日(金)〜 2017年2月19日(日) 会場/RAT HOLE GALLEREY 東京都港区南青山 5-5-3 B1F 時間/12:00〜20:00 休廊/月曜日 URL/www.ratholegallery.com Anne Collier『Women With Cameras』, 2016 Courtesy of the artist ; Anton Kern Gallery, New York ; Corvi-Mora, London ; Marc Foxx Gallery, Los Angeles ; The Modern Institute / Toby Webster Ltd., Glasgow ; Galerie Neu, Berlin

Text:Ken Suzuki

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