また『マネー・ピット』以前からトムの作品の数々の大ファンだったというスピルバーグは「『ボソム・バディーズ』のトムが大好きだったんだ。それにイスラエルが舞台の『さよならは言わないで』も好きだったね。それにリタ・ウィルソンと出ている『ボランティアーズ』もね。だから『マネー・ピット』をやる前から彼の仕事ぶりはよく知っていたんだよ」と説明している。
実際にあった話を基にした『ブリッジ・オブ・スパイ』では同作でアカデミー賞助演男優賞を受賞したマーク・ライランス演じるソ連のスパイ、ルドルフ・アベルとオースティン・ストウェル演じるアメリカ人パイロット、ゲイリー・パワーズのスパイ交換の交渉を任された弁護士ジェームズ・ドノヴァンをトムが演じている。スピルバーグは「誰かが『ソ連で撃墜されたU-2偵察機のゲイリー・パワーズの映画を作る気ないか?』って話を持ちかけてきたんだ。それだけでも1作作るのに十分な話だったと思うんだけど、トムと僕はその話にはもっと語るべき事実があったことを発見したのさ。それで僕らは信じられないような話だけど、実際に起きた話だってことに驚かされたんだ」とそのいきさつを明かした。