“いま” という断片に “未来” を見つける。スパイラル30周年記念展覧会『スペクトラム』 | Numero TOKYO
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“いま” という断片に “未来” を見つける。スパイラル30周年記念展覧会『スペクトラム』

この10月に開館30周年を迎える東京・表参道「スパイラル」。1985年に誕生して以来、“生活とアートの融合” というテーマのもと、時代の流れとともに通り過ぎ行く “いま” を見つめてきた文化発信拠点だ。そのスパイラルで、いまをときめく4名のアーティストによる30周年記念企画『スペクトラム − いまを見つめ未来を探す』が開催されている。   “スペクトラム” という言葉は、“連続体” や “領域”、プリズムを介して生じる “色の配列” を意味する。光はプリズムによって多彩な色に分離できるものの、そこから生まれた色と色、それぞれの間に ”境界” というものは存在しない。スパイラルが見つめてきた “時間” も同じで、その強い連続性のために切り離すことは不可能だ。いや、そもそもこれは、私たちを取り巻く世界の現象のすべてに言えることかもしれない。   本展にて紹介される4名のアーティスト、栗林隆、 榊原澄人、髙橋匡太、毛利悠子は、自らの作品に “いま” という視点を与えることで、私たちを縛る時間の渦を切り取ることを試み、その断片に “未来” を見つけだそうとしている。そして、展示されるインスタレーション作品の数々を観ることを通じて、私たちにも、その “未来” に触れることを可能にさせようとしている。“いま” を見つめて “未来” を探していくスパイラル、これからもその活動から目が離せない!   スペクトラム − いまを見つめ未来を探す 会期/2015年9月26日(土)〜 10月18日(日) 時間/11:00〜20:00 会場/スパイラルガーデン(スパイラル1F)港区南青山5-6-23 入場料/無料 TEL/03-3498-1171 URL/www.spiral.co.jp
榊原澄人 参考作品 『Solitarium』(2015) イメージドローイング
 
Text: Kahlua Tsunoda

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