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『ソートワール』(部分/1969年)プラチナ、サファイア、ダイヤモンド エリザベス・テイラーの40歳の誕生日に夫のリチャード・バートンから贈られたもの。(エリザベス・テイラー コレクション) アートとしてのジュエリー。アートとしてのブルガリ––。この言葉に、あなたは何を思い浮かべるだろう? ブルガリの “至宝” と呼ぶべきアーカイブピース群がいま、東京屈指の西洋建築の空間の中で、まさに “奇跡の小宇宙” と呼ぶべき壮麗な輝きを放っている。 その名も、『アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝』。 今回の展覧会の要点をずばり表現した、気品に満ちたタイトルだ。 では、そのこころは? はるか紀元前の地中海文明へと遡(さかのぼ)る歴史に培われた、イタリア派ジュエリーデザインの比類なき結晶たち。 ヘリテージ(歴史的遺産)と呼び讃えるにふさわしい、偉大なる美意識のコレクション……。 『ソートワール』(1969年)プラチナ、サファイア、ダイヤモンド(エリザベス・テイラー コレクション) どんなに言葉を重ねても、語り尽くすことのできない造形美の世界。そこには、宝石や貴金属それ自体の輝きに加えて、それをあらゆる角度から照らし出す奥深き文化性が息づいている。 たとえば、古代ギリシャ〜ローマ文化の美術や建造物に由来する様式美。 そして、意外にも日本を含む極東アジアの文化を取り込みながら、独自に打ち立てられてきた審美の境地。 一つひとつのコレクションピースの中にも、時代ごとの感性があふれるばかりに薫り立ち、そのつど進化を積み重ねながら、ブランドとしての輝きに磨きをかけ続けてきたのだ。
Text:Keita Fukasawa
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