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Culture Post

自分と他者、その “境界” を揺さぶる展覧会。銀座メゾンエルメス、高山明+小泉明郎展。

現代社会に “芸術” の可能性を問いかける展覧会『「境界」高山明+小泉明郎展』が、銀座メゾンエルメス フォーラムにて開催されている。
 
高山明は演出家。演劇を構成するさまざまな要素を解体させることで、既存の枠組みに捉われない新しい芝居のかたちを生み出してきた。演劇ユニット「Port B(ポルト・ビー)」を主宰、『ヨコハマトリエンナーレ2014』でのライブインスタレーション『横浜コミューン』も記憶に新しい彼は、今回、会場に仮想的な風景『ハッピー・アイランド — 義人たちのメシア的な宴』をつくり出した。
もう一方の小泉明郎はヴィデオ・アーティスト。映像やパフォーマンスによる作品を利作としている。目には見えない “記憶” のメカニズムを映し出す今回のヴィデオ作品には、「記憶とは何か」に始まり、「果たして自分がその主体なのか」へと至る問いが込められている。
 
世界から “自分” を切り離しその “境界” を明らかにすることによって、自己を認識している私たち。そのありようは、自分と他者を切り離し、自分と自然を切り離し、長い歴史のなかで少しずつ “外” との結びつきを失ってきた結果でもある。高山と小泉は、それぞれ異なる表現方法を用いながらも、そんな人間が抱える根源的な問題に迫ろうとしている。自己に属さないものとの結びつきを回復させることは可能なのだろうか、芸術はそこでどんな可能性を担えるのだろうか、会場に足を運んで自分の目で確かめてみたい。
 
「境界」高山明+小泉明郎展
会期/2015年7月31日(金)〜 10月12日(月・祝)
時間/月〜土曜:11:00〜20:00、日曜:11:00〜19:00(最終入場:閉館30分前)
場所/銀座メゾンエルメス フォーラム 東京都中央区銀座5-4-1 8F
TEL/03-3569-3300
WEB/www.maisonhermes.jp/ginza/gallery
 
高山明『ハッピー・アイランド――義人たちのメシア的な宴』(2015年)ヴィデオ・インスタレーション
© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
 

Text: Kahlua Tsunoda

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