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“画鬼” と呼ばれた天才と “あの巨匠” の軌跡! 三菱一号館美術館「画鬼・暁斎」展

今から130年前の8月1日、 “画鬼” と呼ばれた一人の絵師が上野駅に降り立った姿を思い浮かべてみる。河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい)は幕末明治の大人気絵師。正統的な狩野派の魅力を引き継ぎながらも、浮世絵や当時の江戸の諸派をも取り込み、ユニークな画業を残した天才だ。彼の横にいる英国人は、建築家のジョサイア・コンドル。明治政府の「お雇い外国人」として来日した日本美術愛好家でもある彼は、暁斎に弟子入りをして絵を学んだ。彼の設計が平成の世に復元された東京・丸の内の三菱一号館美術館ではいま、そんな師弟に焦点を当てた展覧会が開催されている。
 
弟子コンドルは、母国を始めとする西洋諸国に、師匠の画業を紹介したという。その縁あって、長い間日本を離れてニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されている暁斎の作品群が、本展に合わせて120年ぶりに里帰りを果たした。華やかな美人画や滑稽な風刺画から、世にも恐ろしげな妖怪まで、何を描かせても完璧にこなす天才絵師の偉業とその弟子コンドルの業績などが、あわせて約130点紹介されている。
 
師弟関係でありながらも親しい間柄であった暁斎とコンドル。出展作品『暁斎絵日記』によると、1885年の8月1日、彼らが上野駅で待ち合わせをして日光に写生旅行に出かけたことがわかる。名所を回るうちに会話も弾み、互いに友情を深め合ったのだろうか。それから130年後の2015年。あなたも気の置けない友人と、上野ならぬ東京駅で待ち合わせて、三菱一号館美術館を訪れてみてはいかがだろう?
 
画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル
会期/2015年6月27日(土)〜 9月6日(日)*一部展示替えあり
会場/三菱一号館美術館 東京都千代田区丸の内2-6-2
時間/10:00〜18:00(祝日・振替休日を除く金曜および会期最終週平日は20時まで)*最終入場:閉館30分前
休館日/月曜日(祝日、8月31日は開館)
TEL/03-5777-8600
WEB/http://mimt.jp/kyosai

河鍋暁斎『河竹黙阿弥「漂流奇譚西洋劇」パリス劇場表掛りの場』(1879年) GAS MUSEUM がす資料館蔵

 

Text: Kahlua Tsunoda

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