新生「ミュグレー」の舵をとるデイヴィッド・コマ初来日インタビュー | Numero TOKYO - Part 3
Fashion / Post

新生「ミュグレー」の舵をとるデイヴィッド・コマ初来日インタビュー

──ファーストコレクションでは、あえてアーカイブを参考にしなかったということですが、あなたにとってティエリー・ミュグレーが残した偉大なアーカイブとは?
「アーカイブを意識しすぎないようにしようと思ったのは、僕がアーティスティック・ディレクターを引き受けたときにしたひとつの決断なんだ。僕はこのブランドを深く理解してきたし、アーカイブも研究してきた。だからこそ今の時代に何が大切なのか、自分の直感を信じてコレクションを作ろうと思った。もちろん、この先ふさわしい時期が来れば、アーカイブを取り入れた作品を発表することもあると思う」
──新生「ミュグレー」が描く女性像とは?
「僕は自信に溢れるキャリア女性にいつもインスピレーションを受けている。現代女性は様々な場所へ旅したり、自身でビジネスを経営していたり、本当にアクティブだ。仕事もプライベートも楽しむ女性は、そのことを主張するまでもなく、瞳にいきいきとした輝きがあり、エネルギーに満ち溢れている。ミュグレーウーマンとは、そんな女性がイメージだ」
──「ミュグレー」のアーティスティックディレクターに就任して約1年が経ち、これまで仕事についてどう考えている? また今後控えている新たなプロジェクトは?
「この1年素晴らしい経験をしてきた。ひたすらハードワークをこなしてきたけれど、チームに恵まれ、何より満足のいく結果を得られていることに感謝している。良い評価を受けると、さらにエネルギーが湧き、多少疲れていてももっと良いものを作りたいと作業に没頭してしまう。次のシーズンには新たにバッグを発表する予定だ。世界中のミュグレーウーマンに、バッグコレクションが届けられることを今から楽しみにしている」
初来日を果たしたコマにとって、東京で目にするものすべてがエキゾチックで刺激に溢れた滞在になったようだ。彼のインスタグラム(https://instagram.com/davidkomalondon/)では、来日中に彼が体験したものの一部を垣間見ることができる。特に着物に関しては、洋服と違うパターンの考え方や色や柄の組み合わせ方に興味を抱いたという。いつか日本の着物が「ミュグレー」のクリエイションに生かされる時がくるのだろうか。躍進を続けるブランドの今後の展開とともに、それもまた楽しみにしたい。

David Koma(デイヴィッド・コマ)

女性の体を彷彿させる彫刻のようなデザインが印象的なファッション・デザイナー。グルジアに生まれ、セントピーターズバーグで美術を学んだ後、15歳の若さで自身初となるコレクションを発表。2003年にはセントラルセントマーチン入学と共にロンドンに活動の拠点を移す。2009年より自身のレーベル「デイヴィッド・コマ」をロンドンファッションウィークで発表。2013年より「ミュグレー」のアーティスティック・ディレクターに就任。世界を舞台に第一線で活躍中。
Photos:Yosuke Morimoto Interview & Text:Etsuko Soeda
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