燦然(さんぜん)と輝いていた文化の中心、1960年代のアメリカ。アートの世界では、ジャクソン・ポロックに代表される抽象表現主義の台頭も終わり、コンセプトを重視するポップアートやミニマルアートへと流行が移り変わっていった。人々がトレンドを追い求めていたそんな時代に、流行に惑わされることなく自分を貫き続けたアーティスト。今や20世紀を代表する美術家として世界に認められるようになったサイ・トゥオンブリーは、 “自分であること” を止めなかった。
手で描くということ。身体を使って、即興的に激情的に自らのエネルギーを画面にぶちまけるということ。そしてそのエネルギーは、無秩序に重ねられた色として、紙の上にリズムを生み出していく。トゥオンブリーの “自分らしさ” は、まるで音楽が聴こえてくるかのような画風にあるのだろうか。紙の上に奏でられるメロディに、あなたは何を観る? 何を聴く?
サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡
会期/2015年5月23日(土)〜 8月30日(日)
会場/原美術館 東京都品川区北品川4-7-25
休館日/月曜日(7月20日は開館)、7月21日
入場料/一般:1,100円、大高生:700円、小中生:500円
TEL/03-3445-0651
WEB/www.haramuseum.or.jp
© Cy Twombly Foundation / Courtesy Cy Twombly Foundation
Text: Kahlua Tsunoda
Text: Kahlua Tsunoda