故アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)が英国の新20ポンド紙幣にプリントされる可能性が出てきた。イングランド銀行は英国人に対し、新しい20ポンド札に起用する視覚的なアートの世界で歴史的に重要な人物の選出を求めており、ファッションデザイナーであったアレキサンダーがその一人として選ばれているのだという。展覧会『アレキサンダー・マックイーン:サベイジ・ビューティー』が現在執り行われているヴィクトリア&アルバート美術館にて、イングランド銀行のマーク・カーニー総裁は「紙幣はイングランド銀行がイギリス国民と関わるとても重要な手段です。17世紀から使用されているこの薄い紙は、長年をかけてみなさんのお財布の中に入っている小さな芸術作品として発展してきました」と語った。
2020年に改正される予定の新札に印刷される人物の最終決定を行うのはカーニー氏になるが、もしアレキサンダーが選ばれることになった場合、アレキサンダーの没後10周年記念となる。さらにカーニー氏は「イギリスの思想、発明、指導力、価値を視覚的なアートの業界で表現し、今もなお人々に刺激を与え続けている人物たちの財産がここにはあります」と付け加えた。
東ロンドンで生まれ育ったアレキサンダーは、自身の母親の葬儀前日にわずか40歳で自宅で自らの命を絶っている。アレキサンダーは生前、自身の名前を冠としたブランドを立ち上げる前にはジバンシーのチーフ・デザイナーとして活躍し、ファッション業界への功績を称えられイギリス女王から大英帝国勲章も授与されていた。
アレキサンダーの死後、アレキサンダーの右腕として働きキャサリン妃のウエディングドレスをデザインしたサラ・バートンによって同ブランドは世界的な有名ブランドへと発展している。
今回の新紙幣のデザインには、アレキサンダーのほかチャーリー・チャップリンや詩人のウィリアム・ブレイク、写真家のセシル・ビートン、画家ウィリアム・ホガース、俳優であり映画監督であったリチャード・アッテンボローらが選出されているようだ。