Text:Keisuke Kagiwada
Culture / Post
26歳の俊英が描く、ヒリヒリするような母子の相克。『Mommy/マミー』が公開
Photo credit : Shayne Laverdière / © 2014 une filiale de Metafilms inc.
『わたしはロランス』などで知られる、1989年生まれの俊英グザヴィエ・ドラン監督の『Mommy/マミー』が4月25日から公開される。本作は2014年カンヌ国際映画祭で、83歳の巨匠ジャン=リュック・ゴダールと並び審査員特別賞をW受賞した話題作。
物語は、衝突してばかりいるシングルマザーのダイアンとADHD(多動性障害)の息子スティーヴが、近所に住む引きこもりがちな女性教師カイラと親しくなったことから、少しずつその生活を変化させるというもの。ダイアンとスティーヴが感情をむき出しにして激しくぶつかり合う姿は、『渡る世間は鬼ばかり』なんか比べ物にならないほど息苦しい。本気で他者と向き合うことを避けがちな現代人には特に。だけど、だからこそ、カイラの登場により母子関係が良好になった束の間、路上を滑走しながらスティーヴが両手を広げたときに起こる“奇跡”のような一瞬には、思わず涙してしまう人も多いはず。ぜひ、劇場でチェックしてみて。
『Mommy/マミー』
監督/グザヴィエ・ドラン
出演/アンヌ・ドルバルダイアン・デュプレ、スザンヌ・クレマンカイラ、アントワン=オリビエ・ピロン
配給/ピクチャーズ・デプト
HP/mommy-xdolan.jp/
4月25日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー