例えば、ダ・ヴィンチとミケランジェロ。歴史というのはおもしろいもので、大天才同士が同じ時代に、同じ場所に偉業を残すといったことが稀にある。日本・江戸時代における2人の絵師、若冲と蕪村もその例に他ならない。40歳で絵師として目覚め、色鮮やかな花鳥図と動物を描いた水墨画を得意とした伊藤若冲。名を知らしめた俳諧での活躍はもちろん、俳句と絵が響き合うような俳画を得意とした与謝蕪村。天才2人の代表作はもちろん、新出作や同時代の関連作を紹介する本展では、彼らが生きた輝かしい18世紀の京都を垣間見ることができる。
同じく正徳6年に生まれにして、同じく絵師として活躍。若冲の住む京都の街に移り住んだ蕪村、一時はご近所同士でもあったとされる2人の天才。資料こそ残っていないが、京都の街角で顔を合わせていたのでは? 友人同士、あるいはライバル同士だったのでは? もしかして過去にも同じように、2人の作品が並んでいたこともあったのかも。
想像がふくらむこの展覧会、足を運んで若冲と蕪村の300歳を祝ってみてはいかが?
「生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村」
会期/2015年3月18日(水)〜 5月10日(日)
会場/サントリー美術館 東京都港区赤坂 9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
時間/10:00〜18:00(金・土曜日、5月3日・4日は20:00まで開館)※最終入館は閉館30分前まで
休館/火曜日(5月5日は開館)
TEL/03-3479-8600
URL/suntory.jp/SMA/
Text: Kahlua Tsunoda