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オーガニックコスメ急成長の理由 ニールズヤード創設者にインタビュー
──ナチュラルレメディ(自然療法)として、なんだか体調が悪いな、という時にどこからアプローチしたら良いのか…アドバイスを頂けますか?
「体調がなんだかおかしい、と感じたら私はまずフラワーエッセンスの本を開いてみます。体調の異変は、心の問題が大きくなって表面化した、と捉えるからです。そうであるならば、ライフスタイルを変える必要があるのかな、ここを変えてみようかな、という感じでナチュラルレメディーを用います。心が疲れている時はローズ、神経が高ぶっている時にはカモマイル、肉体的に疲れや痛みを感じる時はラベンダー、免疫力が下がっているような気がする時はタイム、という感じで選びます。また、熱っぽさを感じる時はエルダーフラワーやペパーミント、ヤーロウのハーブティーを飲んでみよう、というふうに」
──現在の日本のナチュラルスコスメ市場は、ロミーさんにとってどのように映りましたか?
「私の初来日は19年ほど前でしたが、その頃の日本のナチュラルコスメ市場は、まだサスティナビリティ(持続可能性)という概念を訳す言葉もない状況でした。でも確実に、少しずつではありますが変わってきているのでは。アメリカも、昇進やビジネスを拡大することだけが幸せの在り方ではない、という捉え方になってきていますよね。日本もちょうどいま、これまでとは別の“幸せのものさし”を見つけ出そうとしている時期ではないでしょうか。ただ市場を見ていると、それが実は<健康に過ごすこと>であるということに、至っている人はまだそこまで多くないように見受けられます」
──久しぶりの来日で日本にいらっしゃった感想、そして日本へのメッセージをお願いします。
「日本はとても早くからニールズヤードを支持してくださっていますよね。私は日本が大好きで、英国でも日本の緑茶などは健康的な食品として浸透しています。来日するとよく京都を訪れますが、“所作ひとつにも、背景に深い想いがある”そういった思いやりの心、思慮深い姿勢をとても尊敬しています。そういった個の扱い方と同じように、環境全体を扱う気持ちを大切にして欲しいですね。『忙しくて健康的な生活を徹底するのは無理だから、シンプルでイージーな方法はないだろうか』と探してまわるのは、地球、自然、動物、植物、人間、すべてが繋がった健康を考えた時、かえって遠回りといえると思うのです。きめ細かなおもてなしの心を持った日本において、自分自身のライフタイルを見つめ、少しずつでもナチュラルでエシカルな方向へと変えていこうとする流れが広がっていくことを願っています」
Interview & Text:Kumiko Ishizuka