東京に“女王”降臨! その前に。『ザハ・ハディド』展 | Numero TOKYO - Part 3
Art / Post

東京に“女王”降臨! その前に。『ザハ・ハディド』展


ペーパー・ドライバーならぬ、“ペーパー・アーキテクト” として辛酸を舐め続ける日々──。
そんな彼女に、ついに転機が訪れる。

1993年、初の実作となる『ヴィトラ社消防所』。安藤忠雄やフランク・O・ゲーリー、ヘルツォーク&ド・ムーロンら、そうそうたる顔ぶれの建築群と並び建ちながら、あろうことか地面に対して垂直な線がなく、傾いだ壁面や鋭角に突き出た尖端などの特徴的すぎる形状が、日頃冷静を装っているケンチク人たちの度肝を抜いた。


それからは一転、世界中の大規模コンペで勝利を連発。
カミソリのように切り立つ直線、「まさかここで!?」と思わせるような鋭角、流動的すぎるほどの3次元曲面など、彼女が描き出す圧巻のヴィジョン&クリエイションに、コンピュータによる3次元解析や構造計算、それを実現する施工技術などなど、ようやく時代が追い付いたのだ……!

Text:Keita Fukasawa

Profile

深沢慶太(Keita Fukasawa) フリー編集者/ライター/『Numéro TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numéro TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集・執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集や、編集者9人のインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)など。

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