東京に“女王”降臨! その前に。『ザハ・ハディド』展 | Numero TOKYO - Part 2
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東京に“女王”降臨! その前に。『ザハ・ハディド』展


ザハ・ハディド。1950年、イラクの首都バグダッドに生誕。
ロンドンへ渡り、世界的建築家の “虎の穴” ことAAスクール(英国建築協会付属建築専門大学)卒業後、のちに “現代最高の建築家” と称されるレム・コールハースの事務所OMAを経て、1980年に独立。
それからわずか3年後、香港はビクトリア・ピーク山上の高級クラブ「ザ・ピーク」の国際建築コンペティションで、無名ながら1等を獲得。一躍、世界中の脚光を浴びることになる。


……しかし、その直後に当の事業者がいきなり倒産。
そもそも、バキバキに飛散した建物の破片を思わせるザハの建築ドローイングはあまりにラディカルで、それをどうやって実現するかという技術的問題に加え、“建築とは何ぞや?” という概念自体を覆しかねず、時代のはるか斜め上をいきすぎていた。

以来、MoMA(ニューヨーク近代美術館)の『脱構築主義者建築展』に参加するなど注目を集めつつも、十数年にわたって実現した建築はゼロのまま。
いつしか人々は彼女のことを、「アンビルト(建設されず)の女王」と呼ぶようになった。

Text:Keita Fukasawa

Profile

深沢慶太(Keita Fukasawa) フリー編集者/ライター/『Numéro TOKYO』コントリビューティング・エディター。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numéro TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集・執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集や、編集者9人のインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)など。

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