“あまさん”も絶ッ叫のド迫力!? 『アンドレアス・グルスキー展』 | Numero TOKYO
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“あまさん”も絶ッ叫のド迫力!? 『アンドレアス・グルスキー展』

『カミオカンデ』(2007年) © ANDREAS GURSKY / JASPAR, 2013 Courtesy SPRÜTH MAGERS BERLIN LONDON ※作品画像の転載・コピーを禁止します。   この写真を見て、思わず「圧倒的じゃないか……」とつぶやいた貴女(あなた)。 そのファーストインパクトを、いったいどのように説明するだろう。 自分の場合、何故か脳裏に浮かんだのは……なんと、“あまさん”のことだった!   「海の女」と書いて「あま」。そう、海女である。 体ひとつで海に潜る彼女たちが最も恐れたもの。それは、海中に棲む魔物たち。人の姿になりすまして命を奪うもの、身の底へと引きずり込むもの……。  そこで、とくに三重県志摩地方の海女たちは、星形と格子状の魔除け模様を身に着けて、海の事故を引き起こす魔物たちから身を護ろうとした。    このうち、格子状の「ドーマン」は、直角に交差する線に囲まれた多くの四角い“目”が、魔物を見張り、立ちすくませるというもの。籠の編み目のような、繰り返し同じ形が連なった形態に、超自然的な“目”の力が宿ると信じられていたというわけだ。  つまり……限られた焦点と視野でしか世界をとらえられない人間にとって、無数の目で一度に隅々までクリアに見渡すことのできる能力自体が、まさに人智を越えた存在の証であり、畏怖の対象だったということなのだろう。   ▶ ただ立ちすくむしかない未曾有のヴィジョン ▶ 次のページへ

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