「ブランドショップの場合、プレジデントやマネージャーにまずそのブランドのイメージやコンセプトについて話を聞きます。そして、お客様にその場でどのような気分になって欲しいのか、というのが重要です。リラックスしてほしいのか、楽しい気分になってほしいのか、それはブランドのコンセプトや場所にもよると思います。マーケティング担当者がセールスをプロモートしたいということもあれば、デザイナー自身がDNAを表現したいということもあります。
目に見えるインテリアが絵画だとしたら、香りは額縁、お客様に感じてほしい雰囲気をデコレートするひとつの方法です。どのような額に飾るかで印象は大きく変わってきます。それはBGMととても近いかもしれません」
Culture / Lifestyle
ブランドショップの“香り”の仕掛人! クリストフ・ラウダミエル氏 来日インタビュー
ショップやホテルなど、空間に香りの演出がされていることにあなたは気づいているだろうか? 香りを前面に打ち出したショップとして話題となったアバクロンビー&フィッチ銀座店も記憶に新しいが、その香りを仕掛けたのが、マスターパフューマー、クリストフ・ラウドミエル氏。フレグランスだけでなく、空間の香りをデザインする香りの専門家だ。
インテリアやライティングという目に見える装飾のほか、目に見えない香りはデコレーションの未開発エリアとされてきた。人の記憶と直結する香りは、無意識のうちに人の感情や行動に働きかけ、ブランディングだけでなくマーケティングやPRの手法としても注目を集めている。香りがもたらす効果について、そして自身が取り組むアートとしての可能性について、来日したラウダミエル氏が語ってくれた。
──あなたが手掛けたアバクロンビー&フィッチ銀座店の香りの演出は、オープン当初から話題でした。数々のファインフレグランスの調香も手掛けていますが、ショップの香りというものはどのように決めているのですか?