Culture / Post
幼稚化された時代が求める「いい女」とは?[後編]/菊地成孔×伊藤俊治 対談連載 vol.10
K「確かにフリーな人達が多い。30、40代は区分なき平均化された日本を生きていたから、何系何系と一生懸命区分して、敵対関係を作る事に腐心していましたから。それが今、なし崩し的に混濁した。しかもそれをSNSの発達がフォローする。Twitterでつぶやけば、その場でそこに興味があるもの同士が盛り上がり、YouTubeで自分を売り出せば、その感性を気に入った人に見てもらえる。相当色々な話ができて、それが全てフェティッシュな話ですよね。言うなれば、何でもあり。逆に言うとユートピアですよ。どんな人でも何らかの形で好かれる可能性がある時代ということです。その背景にはカルチャーの幼稚化や、男目線の消失がある。しかし今、また取り戻そうという傾向もあります。世の女性たちは、ユートピアな世界で男目線なく楽しく女子会とかしていたんだけど、もうそろそろ寂しいから、男性が必要になってくる頃かもしれない」
I「考え方が変わったのはやっぱり震災以降ですかね。子供の持つ全能感が通用しなくなってしまう、という事態もあちこちで起こっている。女性がやっぱり、男性も必要かもと思い直しているのかもしれません。でもその恋愛って、以前の恋愛感情というのではなく、もう少し同志的なものなのかもしれませんね。」
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