読んでキレイに。美の軌道修正におすすめの本をご紹介します【#私の土曜日16:00】
「老いる」と「老ける」は違う
この攻めまくった表紙からして著者、神崎恵さんのただならぬ気合を感じます! 美容家である神崎恵さんが「美しく年齢を重ねるためのヒント」を綴った『老けない美容、老ける美容』(講談社刊)。眉メイクの完全プロセス、老け見えしないチークの入れ方、更年期との付き合い方……などいまさら聞けない美容の基本やテクニックが、惜しげもなく書かれています。かなりお得な本かも!
と同時に、「老いること」をちっともネガティブには捉えていない神崎さんの自然体の美意識が、読んでいて何とも心地いい本なのです。昔よりマシにはなったけれど、今も「シワは悪」「年をとるのが怖い」という風潮があるのもたしか。私が20代前半でこの業界に飛び込んだ当初、フランス女優が醸し出す大人の女性の美しさ、熟し枯れゆく美しさのようなものが好きだった私は、当時の美白やアンチエイジング一辺倒の風潮に辟易したことを思い出します。
だからこそ、今もっともインフルエンシャルな美容家である神崎さんが「若さだけが美しさではない」と声を大にして言ってくださること、そしてその美しさを自ら体現し続けていることにはリスペクトしかありません。文章のはしばしから感じる、一人の女性としての自然体な生き様、美しいアティチュードにもぜひ注目してほしい一冊です。
「量産型」の顔から脱出して自分らしいメイクを
15年以上の長いお付き合いになるヘアメイクアップアーティストのRyujiさん。ポップで楽しいお人柄と、繊細かつ柔軟な感性で女優やアーティストにもファンは多く、国内外の雑誌やメイクのカラークリエイションでも活躍されています。
Ryujiさんが1月末に上梓した『嫌いなパーツが武器になる』(徳間書店)は、メイクの苦手な人や自信のない人も、誰かの真似ではなく個性を活かして輝いてもらいたい……という思いから手がけた1冊。「自分では欠点だと思うところが他人には魅力的だったりする。メイク上手な女性は、そのことをよく知っている」とRyujiさんは言います。人との違いこそ、個性であり魅力。フェイス・ポジティブ、ですね。
「冒険した色でもナチュラルになる法則」「ルーティン化は劣化の始まり」などプロならではの着眼点とテクニックは、手慣れすぎたメイクの軌道修正&アップデートに役立ちます。日本女性のメイクは「木を見て森を見ず」になりがちなので、一歩引いたプロ目線でのアドバイスは取り入れる価値おおいにあり!です。
いつもより少しだけ、アイラインを長く引いてみようかな……と、鏡を見てアイライナーを握りしめた土曜の午後でした。