カインドネス、5年ぶり待望の最新アルバム『サムシング・ライク・ア・ウォー』 | Numero TOKYO
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カインドネス、5年ぶり待望の最新アルバム『サムシング・ライク・ア・ウォー』

最新リリースの中から、ヌメロ・トウキョウおすすめの音楽をピックアップ。今回は、Kindness(カインドネス)の『Something Like A War(サムシング・ライク・ア・ウォー)』をレビュー。

Photo: Michele Yong
Photo: Michele Yong

踊ることに開かれた、“静謐で華やか”なソウル&ハウス

イギリス出身のプロデューサーで、ソランジュなどともコラボ経験のある、カインドネスことアダム・ベインブリッジによる実に5年ぶりとなるサード・アルバム『Somthing Like A War』。ファースト・アルバムでは重たいディスコ・ビートが基調になっていたものの、続くセカンド・アルバムではより自由なビート・メイキングを志向、ピアノなどの音色をも織り交ぜた静謐さを融合させた独特のダンス・ミュージックを確立させていたカインドネス。そんな彼が今作で聴かせてくれるのは、その静謐な音色づかいを擁しながらも、より直接的に“踊る”ということに開かれた華やかな楽曲たちだ。今作では全体を通じてハウス・ビートが大胆に用られ、また多くの曲(特にアルバム前半で)はその次の曲につながるように作られているので、さながらダンス・フロアで彼のDJを聴いているようにも感じさせられるのが面白い。

また華やかさという点で言えば、今作は彼のこれまでの作品以上に多くのゲストが参加し、バラエティに富んだヴォーカルが聴けるところもポイントだ。メイン・ヴォーカルはいずれもソウルフル。コーラスにもゲストが参加し、厚みのあるカラフルな声たちが楽曲を彩っている。極めつけはやはり、旧知の仲であるスウェーデンのシンガー、ロビンとの1曲「Cry Everything」だろう。トロピカルなアレンジの静かな高揚感とクールなロビンの歌が紡ぐ楽曲のラストに、トッド・ラングレンの「Pretending to Care」のサンプリングが重ねられ一気に多幸感に満たされていく展開は圧巻だ。

11月19日には渋谷《WWW X》での来日公演も決まっている。今作を引っ提げた久々の来日となる今回は、これまで以上にフロアがダンスの渦に呑み込まれるに違いない。

KINDNESS 「Something Like A War」(Beat Records / Female Energy) ¥2,200
KINDNESS 「Something Like A War」(Beat Records / Female Energy) ¥2,200

来日公演
日時/2019年11月19日(火) OPEN 18:30/START 19:30
会場/WWW X(渋谷)
料金/オールスタンディング ¥6,500(税込/別途1ドリンク代)
お問い合わせ/info@livenation.co.jp
www.livenation.co.jp/artist/kindness-tickets

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Text:Nami Igusa Edit:Chiho Inoue

Profile

井草七海Nami Igusa 東京都出身、ライター。主に音楽関連のコラムやディスクレビュー、ライナーノーツなどの執筆を手がけている。現在は音楽メディア《TURN》にてレギュラーライターおよび編集も担当。

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