ブラッド・オレンジ、マイノリティを導く希望をスイートなメロディに込めて | Numero TOKYO
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ブラッド・オレンジ、マイノリティを導く希望をスイートなメロディに込めて

近年ではカイリー・ミノーグやFKAツイッグスのプロデュースも手がけるなど、アーティスト/プロデューサーとして活躍するデヴ・ハインズ(Dev Hynes)によるプロジェクト、ブラッド・ オレンジ(Blood Orange)。自身のルーツをたどりアイデンティティを探求した前作『フリータウン・サウンド』から2年ぶりとなる新作『ニグロ・スワン(Negro Swan)』が登場。

『ニグロ・スワン(Negro Swan)』という示唆的なタイトル、またデヴ自身がティーンエイジャーの頃に体験したショッキングな出来事に触れた収録曲「Orlando」のリリックからも見て取れるように、今作では有色人種やセクシャルマイノリティの人々が抱える不安、そして暗闇を乗り越えた先の希望がテーマとなっている。

サウンド面では、持ち味のスイートでソウルフルなポップにヒップホップのエッセンスを絶妙にブレンド。「Hope」にはパフ・ダディ(Puff Daddy)が、「Chewing Gum」にはエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)が参加している。

一方、「Saint」には盟友・カインドネスことアダム・ベインブリッジ(Adam Bainbridge)の名も。

そして白い羽とドゥーラグを身につけたモデルを捉えたアルバムカバーの撮影を手がけたのは、同じくNYを拠点とするアーティストにして友人のアナ・クラス(Ana Kras)。オーガニックに広がり続けるクリエイティビティの輪からも、デヴの洞察力や感性の鋭さを感じずにいられない。

Blood Orange『Negro Swan』

¥2,400(Domino / Hostess)
URL/bloodorange.net/

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Text:Minami Mihama Edit:Masumi Sasaki

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