性別の垣根を越えて活躍する、若手モデルたちに注目!
ここ最近、ランウェイのコレクションでも注目されているのがジェンダーレスやノンバイナリー(どちらの性別にも属さない)モデルたちの活躍。「ヌメロ・トウキョウ」2019年4月号でも特集しましたが、男性と女性という性別の差じたい、もう気にしなくていいのではという流れが来ています。そんな中、今活躍する若手モデルたちがトランスジェンダーの手術を受けたことをインスタグラムで報告することも目にするように。そんな彼女(彼)たちの心境はどのようなものなのでしょうか。
ナタリー・ウェスリング改めネイサン・ウェスリング
ロングでカーリーなジンジャーヘアでガーリーフェミニンなイメージの強かったナタリー・ウェスリン(Natalie Westling)。実はかねてからレズビアンであるという噂が流れていましたが、2019年3月20日に、トランスジェンダーの手術を受けたことを報告。すっかり男性っぽくなった自身の写真をインスタグラムに公開し、名前もネイサン・ウェスリング(Nathan Westling)へ改名したそうです。
手術を受けるまでの経緯として、2013年にマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)のランウェイショーで華々しいデビューを飾ったものの、これまで長い間、鬱と戦って来たこと、10代の頃から同性であるはずの女性同士の会話についていけなかったこと、当初嫌々ながら始めたモデルは彼にとって“(女性を)演じる”ことの延長であったため意外と合っていたことをCNNのインタビューで答えています。 男性になったことをとても満足しているという、ネイサン。今はただ男性である自分自身を楽しんでいて、これからのことは未定ということですが。可愛らしかったナタリーの時も好きでしたが、ぜひ男性になってもモデルキャリアを続けて欲しいです。
フィン・ブキャナン
2019年春夏コレクションでデビューしてから一躍有名となったフィン・ブキャナン(Finn Buchanan)。ロンドン北部のスーパーでスカウトされてから、この業界にいきなり飛び込んだフィンですが、すでに今を象徴する顔かのように、メゾン マルジェラ(Maison Margiela)のショーではオープニングを歩き、美の概念を打ち破ったミュウ ミュウ(Miu Miu)ガールの一人にもなり、またマッティ・ボーヴァンの(Matty Bovan)ショーではコーチ(Coach)のモノグラムを描いたバズカットのヘアも披露するなど、大活躍中です。
そんなフィンは、インスタグラムのハイライトのストーリーで「僕があなたのために働いている、もしくはあなたと働いているのなら、お願いだからフィンと呼んで。お願いだから僕の“本当の名前”を聞かないで。“She”と呼ばないで。性別を間違えて言い訳しないで。うんざりする。リスペクトしているかどうかが問題だ。僕はベストを尽くしているから、あなたが少なくともできることはあなた自身とあなたのチームが、私が“He”であることを知っておくことだ」という自身のジェンダーについて確固たる声明も出しています。
マキシム・マグナス
フィンとかねてから交際しているモデル、マキシム・マグナス(Maxim Mugnus)も最近5回目のトランス・ジェンダーの手術を受けたことを公表しています。
彼女は、トランスジェンダーの手術を受けるまでの苦悩や受けてからも、想像を絶する身体の痛みや周りから奇異の目で見られることに苦しんでいたとか。転機となったのは、ベルギーからロンドンへ移ったこと。周りが受け入れてくれたこと、そして何よりファッション業界がモデルとして受け入れてくれ、またボーイフレンドのフィンと出会えたことが大きいそう。
テディ・クインリヴァン
すでにスーパーモデルとして、グッチ(Gucci)やフェンディ(Fendi)、ラルフローレン(Ralph Lauren)といった名だたるメゾンのランウェイを歩いてきたテディ・クインリヴァン(Teddy Quinlivan)。そんな彼女が自身が17歳のときにトランスジェンダーの手術を受けていたことを公表したのは、デビューからしばらく経った2017年のこと。
突然公表した理由は、自分の出身国であるアメリカの大統領トランプ氏がLGBTQへの人々への理解がないことを見て、黙っているわけにはいかないと感じたからだそう。自身の立場を生かして、自分のジェンダーを公表することで性差別や言葉の暴力への問題提議を行なったのです。
ファッションに新たな風を吹き込んでくれるとともに、LGBTQへの理解も広める活動をしているジェンダーレス/ノンバイナリーモデルズに今後も目が離せません!
Profile
Instagram: @midorioiwa