ワクワクするクリエーションがいっぱい! エルメス「petit h」展をレポート | Numero TOKYO
Art / Editor’s Post

ワクワクするクリエーションがいっぱい! エルメス「petit h」展をレポート

©Nacása & Partners Inc.
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大阪中之島美術館で開催中(〜5月18 日)のエルメスの「petit h(プティ アッシュ)」展に行って来ました。「プティ アッシュ」とはエルメスで不要素材となったレザー、シルク、クリスタルなどを職人、アーティスト、デザイナーがあらゆる方法で組み合わせ、新たな作品として息吹を吹き込む取り組み。エルメス家のパスカル・ミュサールによって2010年に始まり、クリエイティブ・ディレクターのゴドフロワ・ドゥ・ ヴィリユーのもと、30人のチームで運営しています。日本では2011年、2015年に続き、3回目の開催。

ⒸHiroaki Kishima
ⒸHiroaki Kishima

ゴドフロワ・ドゥ・ヴィリユーさんも来日。「会場デザインは長年に渡りプティ アッシュの活動に関わってきたアーティストの河原シンスケさんにお願いしました。プティ アッシュの世界観を独自のジャポニズムで見事に表現してくれました」。河原さんは今回の空間作りを鳥獣戯画の世界から発展させたそう。「日本では馴染みある動物の猿が、フランスからやって来たエルメスを象徴する馬を迎える」ストーリー。歌舞伎など舞台の書割のようにウサギ、サル、カエル、馬、そして季節に合わせて鯉のぼりを登場させ「ゲストがプティ アッシュの世界観の中で主人公として“もの”と向き合うようにしました」。夢があってとても可愛い。

©Nacása & Partners Inc.
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会場は1階ホールの販売エリア、2階多目的スペースの展示エリアに。2階の展示エリアでまずゲストを迎えるのは、鯉のぼりをモチーフにした空間。中では「プティ アッシュ」のアトリエ素材庫を再現し、制作過程で残余となったシルクやレザーなどの素材、ボタン、金具などのパーツが並ぶシーンを現物と写真で見せ、さながらパリのアトリエに迷い込んだよう。エルメスならではのパーツや素材に見惚れてしまいます。このパーツからプティ アッシュとしてどのような作品が生まれたのか、いっそう興味がわきます。

©Nacása & Partners Inc.
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トンネルのまわりには、余剰レザーを使った作品や陶器を使った作品など、作品カテゴリーごとに出来上がるまでの過程や技法を展示。アートのようなでありながら必ず実用的なのが「プティ アッシュ」の特徴。スイムウェアを使ったマスキングテープなどその発想に行き着くまでのクリエイターの頭の中を覗き込んでいるようです。

©Nacása & Partners Inc.
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そして1階の展示販売会場へ(入場要予約)。動物たちが楽しげな書割とねぶたの張子のようなオブジェとともに、家具、食器、楽器に至るまでたくさんの作品が並び、テーマパークのよう。

ギターに巨大クッション、日本のボロのつぎはぎから着想を得た藍染のバッグ。

右のフグはバランスボール。

©Nacása & Partners Inc.
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シルクのバッグや、ファブリックを組み合わせたトップスなども。

京都の茶筒の老舗「開化堂」との作品もありました。レザーの取手と茶筒が合わさったケースの中には、ガラスと陶器を組み合わせたテーブルウェアが。海外の職人技との取り組みは「プティ アッシュ」初だそう。

上質な素材と卓越した職人技が出会い、遊び心のある発想で機能美のある“もの”が生まれる。エルメスの真髄を感じました。

会期中は子ども向けワークショップ(要予約)もあり、参加させてもらいました。プティ アッシュを自分でも楽しめるよう、レザーやシルクのシールやスタンプなどで飾りつけをする鯉のぼり型ノート作りです。自分だけの1冊が出来上がるスペシャルな体験に。

2階 芝生エリア内にはpetit hカフェも! カップデザインも特別仕様。

一部作品はエルメスHPに掲載されています。「エルメスのpetit hープティ アッシュ」でわくわくを見つけてください!

「エルメスのpetit hープティ アッシュ」
会期/2023年4月29日(土・祝)~5月18日(木)
会場/大阪中之島美術館
住所/大阪府大阪市北区中之島4-3-1
時間/1階ホール 販売エリア(入場無料 / 要予約) 10:00~18:00
2階多目的スペース 展示エリア(入場無料) 10:00~18:00
2階芝生広場 プティ アッシュ カフェ 11:00~18:00
https://www.hermes.com/jp/ja/story/192546-petit-h-event/
※展示エリアは混雑状況により入場制限をする場合あり。
※プティ アッシュ カフェは天候により中止の可能性あり
※販売エリアとワークショップはエルメスのホームページから予約。現在満席。キャンセルが発生した場合随時予約サイトに表示。

Profile

水戸美千恵Michie Mito マーケティング・ディレクター/エディトリアル・ディレクター。大学時代にジャーナリストアシスタント、ライターとして書籍、雑誌に携わる。卒業後扶桑社へ入社し、女性ファッション誌を経て『NumeroTOKYO』創刊1年目より副編集長に就任。ファッションページ制作や取材のほか連載「YOUのテキトーく」「佐久間由美子が聞く 女性表現者たちの闘い」を担当。食、旅、アートも好きなもの。座右の銘は「いつも心にナンシーを」。Instagram: @mitomiche

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