Art / Post
2010年のブライトン・フォトビエンナーレのコミッション・ワーク以降も撮影を続けていた、旋回を繰り返す渡り鳥の群れ。中国・河北省の村で300年以上続く祭りで、花火の代わりに鉄くずを溶かし壁にぶつける勇ましい男たち。また、神在月と呼ばれる旧暦の10月に出雲大社で執り行われる神迎祭。八百万の神々を迎えるため、夕刻、稲佐の浜で御神火が焚かれる。参拝者が見守るなか夜の海には雨粒が光る。そこには、自然と人間の潜在的な関係性と、祈りにも似た生命の力強さが、暗闇に対する恐怖と静寂、光に向けての希望と喜びが内包されている。
「銀河系にある小さな星の、さらに小さな生き物たちはきょうもそれぞれの役割をまっとうしている。太陽の光のなかで。薄い氷の上を歩くようなバランスで。祈るようにして美しいものを探しながら。それぞれの領域を、幾重にも重なるなにかに守られながら」川内倫子
今作のタイトル『Halo』には、「円光」や「後光」という意味のほかに、いくつもの星からなる球状星団が銀河系の周囲を包み込む領域の呼び名という二つの意味がある。まさに、宇宙から見たら小さな粒にすぎない地球の生き物や自然というさらに小さな粒々を独自の視点で抽象性をもって描き出されている。これまでの作品から、さらなる飛躍をみせる、川内倫子の新境地的な作品だ。
川内倫子写真集『Halo』¥7,800
現在、開催中の森岡書店での写真展の様子
『Halo』発売記念写真展
@森岡書店
会期/2017年6月27日(火)〜7月16日(水)
会場/森岡書店
住所/東京都中央区銀座1-28-15 鈴木ビル
TEL/03-3535-5020
@POST
会期/2017年6月30日(金)〜7月23日(日)
会場/POST
住所/ 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
TEL/03-3713-8670
URL/http://post-books.info/news/2017/6/16/exhibition-rinko-kawauchi-halo
川内倫子の新作写真集『Halo』リリース
川内倫子,RINKO KAWAUCHI,Halo
川内倫子の最新写真集『Halo』が8月末にリリースされる。それに先立って、6月27日から銀座・森岡書店にて、6月30日から恵比寿・POSTにて写真展を開催し、さらに写真集も先行販売。
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