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Culture Editor's Post

超私的アートな旅 in L.A. その2

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アーティスト、一ツ山チエの作品「セイウチの涙」

もう1カ月以上前になってしまった、L.A.旅行の目的のひとつは、15年超えの長い付き合いである人気スタイリスト一ツ山佳子さんの妹でアーティストの一ツ山チエさんの個展を見に行くことでした。ロスから車で1時間半ぐらいのところにある、ランキャスターのMOAH Museumで展示されている、原寸大の動物たちをリアルに描写した造形作品を紹介します。

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「GORILLA’S MOM」2011

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『To hear your footsteps』展にて。

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トカゲの表皮のブツブツを気が遠くなるような作業で作り出す。「トカゲから見上げる空」2015

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創作活動中にアトリエ訪問。マイアミの個展に向けて追い上げ制作中のチンパンジー。完成が楽しみ。

このリアルに作り込まれた原寸大の立体作品は、なんと新聞紙でできている。細く裂いた新聞紙を細くよってこより状にし、それらを繋ぎ組み合わせて、動物たちの皮膚、毛並みなど体のディテールを見事に表現してるのだ。情報伝達を目的とし、極端に言えば1日で役目を終えて価値がなくなってしまう紙だ。紙のまちである静岡県富士岡でまさに製紙業を営む家に生まれ育ち、自身のルーツである紙を用い、新たな息吹を吹き込む。モチーフとなるのは、ときに絶滅の危機に瀕した、守るべき地球上の動物たち。アフリカで目撃した密猟で被害を受けたサイを再現したのをきっかけに、カメ、ゴリラの親子、トカゲなど作り出してきた。捨てられる運命の紙で失われつつある命を再生している。そんな一ツ山チエさん作品は、現在開催中のランキャスターMOAH Museum『To hear your footsteps』展、シカゴJeffrey Breslow Gallery『Rock Paper Show』展で展示されているほか、さらに12月1日からはマイアミでも個展をスタートする。これからの活躍が楽しみな女性アーティスト。

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ランキャスターの美しい夕日。
旅でこんな郊外を赴くことはなかなかないので、貴重な体験でした。
それにしても、クリエイティブな姉妹です。
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右はスタイリスト一ツ山佳子、左はアーティスト一ツ山チエ。どことなく似てるかな?

一ツ山チエ(ひとつやま・ちえ)
1982年、静岡県生まれ。2004年東京工芸大学芸術学部デザイン学科卒業後、立体作品の制作を手がける。現在、クリエイティブディレクター玉井富士とともに創作ユニット、一ツ山スタジオにて活動する。
Chicago展@Jeffrey Breslow Gallery 開催中〜2017年1月15日
Lancaster展@MOAH Museum 開催中〜2017年1月7日
Miami展@Cater Projects 12月1日〜2017年1月15日

Profile

佐々木真純(Masumi Sasaki)ファッション・フィーチャー・ディレクター。大学在学中から編集プロダクションにて雑誌などに携わる。雑誌『流行通信』編集部に在籍した後、創刊メンバーとして『Numero TOKYO』に参加。ファッション、アート、音楽、映画、サブカルなど幅広いコンテンツを手がける欲張り何でも屋。写真家・操上和美が撮影する「男の利き手」や「東信のフラワーアート」の担当編集。ここ数年の趣味は山登りで、得意芸の“カラオケ”は編集部名物。自宅エクササイズ器具に目がない(なんならコレクター)。

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