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Culture Editor's Post

Sacaiも注目した、ローレンス・ウィナーの最新アート

ローレンス・ウィナー、Lawrence Weiner、art、タイポグラフィ
ローレンス・ウィナー、Lawrence Weiner、art、タイポグラフィ

タイポグラフィによる作品で有名な現代アーティスト、ローレンス・ウィナーの個展「WATER & SOME OFITS FORMS」がギャラリー「TARONASU」にて2月10日まで開催中だ。

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60年代から一貫して、自身の芸術を「インフォメーション」と称し、言語や記号、それらが喚起する想像力に関心を寄せてきた、ローレンス・ウィナー。彼にとって作品とは、観る者に伝達され、心象となることで初めて成立するもの。

現在、開催中の展覧会「WATER & SOME OFITS FORMS(水とその形態のいくつか)」で発表されている新作は、水、塩水、淡水、中性子、黒鉛といった単語と、それらを関係付ける文や記号、図形などによって成り立っている。水、塩水、淡水といった物質的な対象は、機能、性質、状態を示す言語の働きによって分類されているもの。そうした現実では起こりえない、ねじれた関係を作り出すウィナーにとって自身の作品とは、論理や時間、空間に対する観る者の認識への働きかけなのだいう。

そして、今回の新作では、英文と共に日本語が使用されているのも特徴的だ。これらは、まずウィナーが用意した英語のテキストに対して、ギャラリー側が複数の日本語訳を用意し、翻訳のニュアンスに踏み込んだディスカッションの結果、彼が日本語訳を選択するという方法で完成した。「インフォメーション」としてアートにこだわり続けるウィナーの最新作から、言葉と文字がもたらす意味や心象の、翻訳しようとしてもしきれない何か、そこにある文化の本質を感じとってほしい。

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ちなみに、このローレンス・ウィナーのタイポグラフィーに見覚えのある人もいるのでは? 現在、展開中のサカイ(Sacai)の2018年プレスプリングシーズンでは、彼のアート作品をモチーフにしたコレクションを発表し、話題を呼んだばかり。ファッションシーンも注目する、今ふたたび気になるアーティストだ。

ローレンス・ウィナー(Lawrence Weiner)
「WATER & SOME OF ITS FORMS」

会期/2018年1月13日(土)〜2月10日(土)
会場/TARO NASU
住所/東京都千代田区東神田 1-2-11
TEL/03-5856-5713
開館時間/10:00〜18:00
休館/日・月・祝
URL/www.taronasugallery.com/

Profile

佐々木真純(Masumi Sasaki)フィーチャー・ディレクター/ウェブ・コンテンツディレクター。大学在学中から編集プロダクションにて雑誌などに携わる。『流行通信』編集部に在籍した後、創刊メンバーとして『Numero TOKYO』に参加。ファッション、アート、音楽、映画、サブカルなど幅広いコンテンツを手がける何でも屋。操上和美が撮影する「男の利き手」や「東信のフラワーアート」の担当編集。ここ数年の趣味は山登りで、得意芸の“カラオケ”は編集部名物。自宅エクササイズ器具に目がない(なんならコレクター)。

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