「TikTok チームラボリコネクト」サウナで“ととのって”アートを鑑賞!? | Numero TOKYO
Art / Editor’s Post

「TikTok チームラボリコネクト」サウナで“ととのって”アートを鑑賞!?

アート浴エリア『生命は結晶化した儚い光』
アート浴エリア『生命は結晶化した儚い光』
東京・六本木で開催中の展覧会「チームラボ & TikTok, チームラボリコネクト:アートとサウナ(以下TikTok チームラボリコネクト)」でアート×サウナの不思議なコレボレーションを体験してきました。 「アートとサウナのコラボってどういうこと⁉」と思ってしまいますが、ただアートを鑑賞するのではなく、鑑賞者自身に最高の状態になってもらってからアートを体験してもらおう、という新たな試みだそう。 サウナでは「サウナ→水風呂→休憩」のセットを繰り返すことで、「ととのう」と呼ばれる快感の境地に達するといわれています。つまりTikTok チームラボリコネクトでは、その「ととのった」状態でアートを鑑賞することで普段では気づかないような特別な体験を得ることができるということ。

会場では水着や館内着、バスタオルなどを貸し出してくれます。サウナ以外は携帯電話やカメラの持ち込みも可能で、防水カバーも貸してもらえるので、撮影も存分に楽しめます。着替えていざ体験。

会場はサウナエリア、冷水エリア、アート浴エリアから構成されています。まず最初はサウナエリア。早速第一の作品『呼応するランプのアレイとスパイラル』が頭上からお出迎え。人がランプの下を通ったり、サウナ室から出入りすると近くのランプがひときわ強く輝き、次々と周囲のランプに輝きが伝搬していきます。

サウナ室「Fire Red」
サウナ室「Fire Red」

サウナ室は女性専用サウナも含め、全部で7室。温度は部屋によって中温多湿から超高温ドライまでありますが、どれもしっかり熱くて本格的に汗をかくことができます。また部屋ごとに違う香りの天然アロマが炊かれていたり、テーマごとの環境音(例えば上記写真の部屋「Fire Red」の場合、炎の音)が流れていたりと楽しいしかけも。

部屋には砂時計がいくつかあり、目安の10分を図ることができます。(※砂時計本体はとても熱くなっているので、木枠の部分を持ちましょう!)

お次は冷水エリア。ここは水風呂はなく、代わりに冷水シャワーを浴びます。1セット目はびっくりするほど冷たくて、足にかけるのがやっと。2セット目から意を決して1分浴びてみると、だんだんぽかぽかに。

『降り注ぐ雨の中で増殖する無量の生命』
『降り注ぐ雨の中で増殖する無量の生命』

最後はアート浴エリアで休憩。『生命は結晶化した儚い光』『降り注ぐ雨の中で増殖する無量の生命』『空中浮揚 – 平面化する赤と青、曖昧な紫』の3作品があり、3セット各回別の作品を鑑賞しました。

『生命は結晶化した儚い光』はこれぞチームラボ!という美しい光のシャワー。作品の中に入ることもでき、幻想的な写真を撮影できます。

『降り注ぐ雨の中で増殖する無量の生命』は咲いていく花が生と死を繰り返しながら移り変わっていく様子を上映。なんとあらかじめ作られた同じ映像を繰り返し上映しているわけではなく、コンピュータプログラミングによってリアルタイムで描かれているとのことで、永遠に眺めていられます。

個人的には『空中浮揚 – 平面化する赤と青、曖昧な紫』がいちばんサウナ後の状態で楽しめた気がします。これは大きい球体が色を変えながら、地面と空中のあいだを行ったりきたりくるくる浮遊している作品。球体はどこにも吊られていなければ電力で操作されているわけでもなく、ただただ物理現象によってのみ動いているそう。やや“ととのった”かもしれない状態で球体をぬぼーっと見つめていると、瞑想しているような、リラックスした無の境地に。

『空中浮揚 - 平面化する赤と青、曖昧な紫』
『空中浮揚 - 平面化する赤と青、曖昧な紫』

展示は8月31日までなので、ぜひ皆さんも体験してみてください!

チームラボ & TikTok, ​チームラボリコネクト:アートとサウナ 六本木
会期/8月31日(火)まで
会場/チームラボリコネク
住所/​東京都港区六本木5-10-25​
入場料/平日 4800円、土・日曜日、祝日、特定日 5800円
開館時間/10:00〜23:00(※6/3現在、緊急事態宣言により開館時間を短縮しています。最新の開館時間は公式ホームページをご確認ください)
休館日/不定休
URL/reconnect.teamlab.art/jp
問い合わせ/forms.gle/8dozmvTtdvchGdBP8

 

Profile

金原毬子Mariko Kimbara エディター。学生時代にファッション誌編集部でのインターンや雑誌制作を経験し、編集者を志す。2017年扶桑社に入社し営業職を経て、19年『Numéro TOKYO』編集部に異動。主に人物取材やカルチャー、ライフスタイルなどの特集、本誌の新連載「開けチャクラ! バービーのモヤモヤ相談室」などを担当。音楽、ラジオ、ポッドキャストが好きで片時もヘッドフォンが手放せない。

Magazine

JUNE 2024 N°177

2024.4.26 発売

One and Only

私のとっておき

オンライン書店で購入する