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ルサージュが数百時間かけて制作! 美しきラコステのクチュール・ポロ

1. Story ルネ・ラコステが遺したものと、後継者たちの挑戦
1. Story ルネ・ラコステが遺したものと、後継者たちの挑戦
“機能性”と“軽やかなエレガンス”、そして“革新性”。フレンチブランド、ラコステは、1933年、ワニマークのポロシャツを発明以後、まさにこの3点に立脚した80余年の歴史を刻んできた。
余談だが、1933年といえば、ジャン=ポール・ベルモンドやロマン・ポランスキー、ジェームズ・ブラウン、伊丹十三、エマニュエル・ウンガロ、オノ・ヨーコ、黒柳徹子、藤子・F・不二雄の生年であり(結構、豊作!)であり、宮沢賢治が逝去した年だ。あるいは、当時校長を務めていたミース・ファンデル・ローエがバウハウスを解散(のちにナチスによって閉校)した、デザイン史においても象徴的な年。この頃、とりわけ建築や芸術、デザイン分野は、モダニズムに向かう過渡期にあり、それまでの既成概念が斬新なアイデアでもって破壊され、新しい価値や美意識が生み出された。ラコステ創業者のルネ・ラコステも自身を「Inventor=発明家」と称する通り、変わりゆく時代の美意識を追い風に、ポロシャツの発明をもって自分を含むテニスプレーヤーを動きづらいシャツから解放し、かつ、そこにフランス的なエレガンスやエスプリを吹き込んだのだ。ポール・ポワレによるコルセット追放から、ココ・シャネルがもたらした女性服の現代化の流れの中で、女性のライフスタイル自体が大きく変革されたように、ルネも、単にスポーツウェアの革新にとどまらず、そこにファッション的な要素を介在させることで、コートの外でも着ることのできるカジュアルウェアという新しい分野を創出した。

さて、「スタイルなくして、プレーや勝利に意味はない(Without style, playing and winning are not enough)」とは、ルネが生前に残した言葉のひとつだが、彼の生き生きとした発想力を受け継ぎながら、時代とともにスポーツウェアを刷新し続けてきたラコステが、女性のためのポロシャツが生まれて50年を祝う今年、これまでとは全く異なる新しい方法で、スポーツとファッションの融合に再挑戦している。
首謀者は、前任のクリストフ・ルメールからバトンを受け継ぎ、2012年春夏シーズンからラコステのクリエイティブ・ディレクターを務めるフェリペ・オリヴェイラ・バティスタ。フェリペ参加以降、ラコステは、さらに軽快かつ大胆に、スポーツウェアをモードに変換させる試みを推進しているが、今回の試みでフェリペがパートナーとして白羽の矢を立てたのが、パリのクチュール文化を象徴する刺繍工房、アトリエ・ルサージュだった。
©The Reality Show Magazine
【オートクチュールを手がけるルサージュ】


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