「ISSEY MIYAKE」とTakramから届いた“1輪の花”たち | Numero TOKYO
Art / Editor’s Post

「ISSEY MIYAKE」とTakramから届いた“1輪の花”たち

ホリデーシーズンの輝きの中、イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の宮前義之さん × Takramの渡邉康太郎さんによる「FLORIOGRAPHY(花言葉)」のガーデンが銀座に登場。手から手へ、色とりどりの花を咲かせる名もなき想い。そのデザインに込められた願いとは……?

2017年に誕生した「FLORIOGRAPHY」は、イッセイ ミヤケのデザイナー宮前義之さんと、日本を代表するデザイン・イノベーション・ファームTakramの渡邉康太郎さんが共同で制作した、一枚の布からつくられた架空の花。 大切な人へ花を贈るとき、そこには美しい想いが託されている。言葉にできない気持ち、伝えられなかった願い……。“誰かに心を伝える”というその想いを、メッセージカードに包まれた1輪のコサージュに込めて。カードに記された「COLOURS」「YOU」「STORY」などの言葉を丸で囲んだり、つなぎ合わせたりすることで、自分だけの“花言葉”を綴った手紙ができあがる。

純白の手紙で始まった昨年に続いて、今年は花、カードともにいろいろな色を展開。花となるコサージュやヘアゴム、チャームは、折り目を織り込んだ布に蒸気を当てることで、一瞬にして立体的なフォルムが立ち上がるイッセイ ミヤケの独自技術「Steam Stretch」を用いたもの。

“一枚の布”の可能性を追求してきたイッセイ ミヤケのフィロソフィーと宮前さんのヴィジョンに、コンテクストデザイナーとして「ものづくりとものがたりの両立」を追求する渡邉さんのアイデアが融合し、この季節に再び「FLORIOGRAPHY」の花々が咲きそろった。

その花々が描き出す空間をTOKYU PLAZA GINZA 6F、ガラス張りの「KIRIKO LOUNGE」に訪ねた。時間とともに移り変わる光に浮かび上がる、色とりどりの「FLORIOGRAPHY」と、贈る人/贈られる人の心の機微を写し取った写真と言葉。

そしてふと、ここにある花たちはまだ咲いていない、誰かが想いを込めてカードを書き、それが想いを宿した1輪の花束となって、その伝えたい想いが誰かに届いたときにこそ、ようやく二人だけの物語が花開くのだと思った。

宮前さんと渡邉さんの願いを乗せた色とりどりの「FLORIOGRAPHY」。この冬もまた、どうかたくさんの物語が花開きますように。

 

 

TOKYU PLAZA GINZA × Bunkamura SPECIAL PROGRAM
ISSEY MIYAKE: “FLORIOGRAPHY” EXHIBITION

会期/2018年12月7日(金)〜25日(火)
会場/TOKYU PLAZA GINZA 6F「KIRIKO LOUNGE」
住所/東京都中央区銀座5-2-1
時間/11:00〜23:00(12/23を除く日・祝は〜21:00)
URL/FLORIOGRAPHY特設サイト:holiday.isseymiyake.com

※期間中、特設サイトでは「贈る人」「受け取る人」いろいろのストーリーを紹介。

Profile

深沢慶太Keita Fukasawa コントリビューティング・エディターほか、フリー編集者、ライターとしても活躍。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numero TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集やインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)などがある。『Numéro TOKYO』では、アート/デザイン/カルチャー分野の記事を担当。

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