篠山紀信が撮り下ろす卓球男子大島祐哉・森薗政崇ペア
ここ最近「卓球日本」の盛り上がりが最高潮になっている。そのブームを牽引するのが、2017年6月、世界選手権の男子ダブルスで、銀メダルを獲得した大島・森薗ペア。先日のワールドツアー・グランドファイナルでは見事優勝に輝いた。そんな、いま話題のイケメン二人を篠山紀信が激写。卓球界を盛り上げる二人に迫る。(「ヌメロ・トウキョウ」2017年9月号掲載)
“ペアで最強”のニ人
──6月に行われた世界選手権で見事48年ぶりに銀メダルを獲得され、世間的にも話題となったお二人ですが、周りの反応はいかがでしたか?
大島祐哉(以下、大島)「自分で思っていたよりもはるかに多くの方に喜んでいただけて、たくさんメッセージも受け取りました。それはものすごくうれしかったですね」
──そもそも何故、卓球を選んだのですか?
森薗政崇(以下、森薗)「僕はもともと卓球一家で、4歳でラケットを握っていました。父が厳しかったので、正直、小さい頃はやらされてる感が強くて、卓球が嫌で嫌で仕方なかったです。中学に入って親元を離れ、自分の意思で卓球をやり出してから楽しいと思うようになりました」
──卓球選手はどんな日常を過ごしているのですか?
大島「試合は多いです。毎月海外に行ったり、日本代表の合宿があったり。毎日6〜7時間は練習して、休む時間はあまりありません。オフシーズンのないスポーツなので」
森薗「少し休むとテクニックや体のパフォーマンスが落ちて、戻すのに時間がかかってしまうんです」
──卓球の好きなところは?
大島「卓球をやっているときが自分が輝けていると思うんです。自分を一番表現できるのが卓球なので」
──卓球の醍醐味って、何ですか?
森薗「それはやっぱり、勝ったときですね。卓球って一つのことができるだけじゃダメなんです。体も強くなきゃいけないし、頭も良くて精神的にタフで、かつ技術もなきゃいけない。“勝つ”ってことは、相手より自分のほうがいろんな面で上回れたということなので、本当にすっごく気持ちいいです」
──お二人がペアを組んだときに、一番良いと思うところは?
大島「僕らが一番意識しているところでもある“台上でのプレー”です。交互に球を打っていくダブルスでは、組む相手によって距離感や間合いも違って“この人じゃないと、このタイミングで入れない”というのがあるのですが、森薗君とはその息がぴったり合うんです。だから僕たちは、コンビネーションとしては世界一だと言っていますね」
──個人戦ではライバルのような関係性でもありますよね?
大島「そうですね。試合も結構します」
森薗「日本の男子卓球の良いところは、普段は仲良くしているけれど、試合になるとお互い殺し合うくらいの勢いで全力で向かっていける、というところだと思っています」
“卓球をもっとメジャーに”という使命
──今回、篠山紀信さんに撮影していただきましたが、どうでしたか?
大島「普段と全く違う撮影で楽しかったです。“こんな角度から撮るんだ”って驚いたり、めちゃくちゃ面白かったですね!」
──普段からファッションには気を使っていますか?
大島「僕は洋服が好きなので、買い物にもよく行きます。サンローランも好きだし、今日の私物のバッグはバレンシアガで…」
森薗「大島さんは卓球選手の中では異質です。僕はファッションに疎いのですが、今日の撮影でファッションに目覚めました(笑)!」
──でもどんどん、卓球=おしゃれという認識になっていっていますよね。
大島「アメリカでは流行っているみたいですね。西海岸のIT系の会社に卓球台が置いてあったり、NYには“SPiN New York”というおしゃれな卓球バーがあったり」
森薗「グローバルに誰でもできるスポーツなので、そこも魅力だと思います。これからは日本でも新しく、卓球=おしゃれとなっていくかもしれないですね」
──お二人のこれからの目標を教えてください。
大島「まずは東京オリンピックまで自分を高めていくこと。いま卓球がすごくメジャーになって、来年にはプロリーグもできるというタイミングなので、僕たちが全力で良いプレーをできれば、もっと卓球が人気になると思うので。卓球を突き詰めながら、卓球界の底上げもできるような選手になっていきたいですね」
森薗「僕も卓球がもっとメジャーになるように、選手としてできることを考えていきたいです。3歳児からお年寄りまで、誰でもできるのが卓球の魅力なので。そんな競技は他にないと思います」
Photos:Kishin Shinoyama Styling:Shinichi Mita Hair & Makeup:Asami Nemoto Interview& Edit:Sayumi Gunji Text:Rie Hayashi Edit:Fumika Oi