パーティの達人!『プレイボーイ』創刊者ヒュー・ヘフナーが伝授する「パーティの極意」
91歳でこの世を去った、雑誌『プレイボーイ(PLAYBOY)』の創刊者ヒュー・ヘフナー(Hugh Hefner)。10年前の「Show Time」特集にて、パーティ・マスターの異名をとる彼のインタビューが実現。ハリウッドの豪邸で繰り広げられる噂のパーティとは一体…?(「ヌメロ・トウキョウ」2007年12月号掲載)
2006年「真夏の夜の夢パーティ」にて、プレイメイツに囲まれて
パーティ・マスターになるための秘訣
「会場の雰囲気・環境の中には、『女性が安全だと感じる環境を提供する』と言うのがある。それができたからこそ、プレイボーイ邸でのパーティが有名になったといっても過言ではない。プレイボーイ邸は、ハリウッドのどこよりも安全だよ。不品行なことをする輩がいたら、すぐにつまみ出して、二度とここの敷居をまたげないようにするからね。みんなそれを知っているから品行方正な振る舞いをする。女性はそれを知っているから、肌を露出することができる。下着やセミヌードでやって来る人もいるけど、そういう格好で来ても誰も襲ってこないって安心できる環境を保っているからこそ、こうしてシャングリラ的雰囲気を作り上げることができているんだ。
食べ物は、ウチのスタッフが作っている。ウチの厨房スタッフは、4つ星レストラン級の食事を作ることができるんだ。人数も、3人分から1000人分までこなせるんだよ。
最悪のパーティとは、男性陣が女性と会話するのに困難を要する男女比になっているもの。実は、僕の青春時代がそうだった。男7人に対して女は1人で、パーティ会場には、男性ばかりが溢れていた。だから、その時誓ったんだ。もし僕がパーティを主催するなら、男女比を逆転させたものにする!ってね。女性客を増やす秘訣は簡単だよ。招待状を出す時に、女性の数を多くしておけばいい。
2006年「大晦日パーティ」会場
期待度を高めるのには、時間がかかるよ。僕だって半世紀かかった。最初のころ、パーティは『プレイボーイ』誌のページ上だけで開催されていた。でも、プレイボーイ邸を購入した時、パーティが現実のものになり、現実世界のパーティを雑誌やテレビで紹介するようになった。それは、雑誌やテレビを使ってプロモーションしたとも言い換えられる。そうして、世界的に有名になっていった。そういうふうになるように仕掛けた結果なんだけどね。プレイボーイ誌とプレイボーイ邸が、長年、人々の期待に応えられるパーティをしてきたからこそ、『プレイボーイ邸でのパーティは期待を裏切らないものだ』っていうのが浸透した。だから、みんな僕のパーテぃに来たいと思う。ここに来れば、十分に楽しむことができるってわかっているからね。こうして、パーティ招待状がものすごく人気のチケットになった。最近は、ネットで購入した招待状で入り込もうとする人や、ニセの招待状を売りつける輩も出てきた。数ブロック先で、ニセの招待状を買った人たちをバスに乗り込ませて、ウチに来ようとするという大がかりな手段に出る人たちも出て来た。ウチの警備員はそういうのを見逃さないから、門のところでお払い箱になってしまうのにね。
また、独立記念日のパーティでは、邸内の庭で花火大会をするんだけど、ここロサンゼルスで花火の許可を個人宅で持っているのは、ウチだけのはず(ロスでは、花火は基本的には違法)。そうした、ほかのパーティにはないユニークなものがあるからこそ、たくさんの人がウチに来たがり、期待を抱くんだ。僕が顔を出すパーティは、僕自身の主催がほとんどだけど、パーティをうまく回すスタッフを雇っている。僕は最初の招待客でもあるからね。だから、それぞれのパーティ環境を作る担当者を雇っているんだ」
きっとあの世でも、長きにわたるパーティマスターの経験を生かして、パジャマにガウン姿で、ナイスバディな女性たちに囲まれ、永遠のシャングリラを作っているに違いない。楽しげに、安らかに。
Coordination & Text : Izumi Hasegawa
Photos : Playboy
Edit:Masumi Sasaki