PKCZ®インタビュー「90年代から現代までのヒップホップ観が繋がった」
「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2017年9月号では、1stアルバム『360°ChamberZ』が完成したPKCZ®のDJ MAKIDAI、VERBAL、DJ DARUMAの3人にインタビュー。本誌では伝えきれなかった、ウータン・クランのMETHOD MANやLDHのアーティストが多数参加した豪華なアルバムのさらなるエピソードを公開。
世界から見た「TOKYO」をフックに、世界に爪痕を残したい
──先行配信した「PLAY THAT feat. 登坂広臣, Crystal Kay, CRAZYBOY」に「AMS→TYO」というリリックがありますが「東京発」は意識しますか?
D「東京というより日本ですね。7月末にベルギーの大型フェス『トゥモローランド』に出演するんですけど、黒い法被(はっぴ)を着てDJしようかと3人で話しています(※インタビュー時は7月上旬)」
M「あえてカタナカで『ピーケーシーズ®』と入れたり。さすがに着物でDJをするのは難しいので、せめて法被と思っていますが、海外からしたら着物に見えるかもしれないけれど。海外は未知の領域なのでチャレンジャーという気持ちです。DJ DARUMAとVERBAL君は海外でのプレイ経験もあるから、3人で相談しながらプランを考えているんですけど、国内とは異なるセットリストにしようかと思っています」
VERBAL(以下、V):「やっぱり盛り上げたいですよね。海外の方からしたら『PCKZ®って誰?』という印象だと思うので、アウェイなところから最終的に『ヤツら結構良かったじゃん』と言ってもらえるように持っていきたいです」
──これだけキャリアのある3人が挑戦者の気持ちなんですね。
D「もう全然チャレンジャーですよ。でも、それがむしろ最高です」
M「挑戦させてもらえるのは、ありがたい環境ですよね。今回は、世界から見る日本のイメージをPKCZ®が咀嚼して、どれだけオリジナルのマッシュアップを作れるかがカギ。スーパーリアルな日本文化をぶつけるというより、海外の方にもわかりやすい日本のイメージから入ったほうがフックになるんじゃないかと思うんですよ」
──世界の共通語としての日本文化を入り口にするということですね。
V「日本文化に対する理解の幅はまだ狭く、今でも『キル・ビル』だと思われているところがある。だから、それを逆手にとって、わかりやすいところから突破口を作って、そこに僕らの世界観を投入していきたいですね」
D「いつものスタンスで攻めても、向こうからしたら『そんなのこっちにはいっぱいいるから』と思われてしまう。今回は、大きなチャンスだから、意地でも印象に残ることをやったほうがいいんじゃないかと3人で話してます」
PKCZ®は実験室。そこから新しい価値感が生まれてくる
Photos:Sasu Tei
Hair&Makeup:Akemi Mizuno, Yu Hotta
Interview&Text:Miho Matsuda
Edit:Masumi Sasaki