與真司郎インタビュー「ひとりでも待っている人がいたら、そのために発信していきたい」 | Numero TOKYO
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與真司郎インタビュー「ひとりでも待っている人がいたら、そのために発信していきたい」

14歳でエイベックスに所属し、16歳でAAAのメンバーとしてデビュー。それから16年、アーティストとして第一線を走ってきた與真司郎が、2021年8月11日に発売したソロアルバム『THIS IS WHERE WE PROMISE』と秋のアリーナツアーをもって、アーティスト活動を休止する。そこで、大きな決心した今の心境と、これからの夢、そして、ずっと支えてくれたファンに対する想いを聞いた。

人生の半分以上を「AAAの與真司郎」として生きてきた

──2021年をもって活動を休止すると発表されました。その理由を教えてください。 「今年の11月で33歳になるのですが、デビューしたのが16歳なので、人生の半分以上が『AAAの與真司郎』でした。だから、AAAが活動を休止することになり、改めて自分の人生について考えたとき、ソロで頑張るよりもアーティスト活動を一旦休止して、これまでできなかった普通の生活や人生勉強をしたいと思ったんです」 ──以前、『Numero TOKYO』(2019年1・2月合併号)で、ロングインタビューを行いました。そこでは「20代でやり残したことはない」とおっしゃっていましたね。 「仕事の面でやり残したことはひとつもありません。デビューして10年ぐらいは、ありがたいことに、休みもないくらい忙しい毎日で、いろんな経験をさせてもらいました。ドームツアー、ソロでのアリーナコンサート、トークイベント、あの頃があったからこそ今があります。ただ、プライベートではみんなが当たり前のように経験したこと、学校へ通って放課後は制服デートをして、週末の休みは自分の好きなことをするというような日常は味わえなかった。みんなより15年ぐらい遅れたけど、やり残した青春をこれから叶えていきたいと思っています」 ──コロナの影響で、昨年末に予定していた「AAA DOME TOUR 2020」が延期になりましたね。 「LAと日本の往復も、以前のように簡単にはいきませんし、他のスケジュールもだいぶ変更になりました。今回のアルバム『THIS IS WHERE WE PROMISE』は9月と10月にアリーナツアーを行う予定なので、その頃までに状況が良くなっているといいんですけど」 ──ライブをしてひと区切りなんですね。 「AAAでもソロ作でもライブを基本にしています。アルバムを楽しんでもらうのはもちろん、ライブでパフォーマンスを見てもらって、もっと曲を好きになってもらいたい。だから、アルバムはライブで完結すると考えているので、それが終わってから、休止という予定です」

──今回のアルバム『THIS IS WHERE WE PROMISE』で、特にライブを意識して作った曲は?

「『How We Do It』」はヒップホップテイストで、ライブでもすごく盛り上がると思うので、パフォーマンスをぜひ見てください」

──今回のアルバムには、ご自身で作詞されている曲が2曲ありますが、『Bye Bye』の「また会える日まで」という歌詞にドキッとしたファンも多いのでは。

「『Bye Bye』は、親しい人との別れを歌った曲です。おじいちゃんとおばあちゃんを亡くして、ずっと一緒だったフウとライという2人の犬も天国にいるので、そのことを考えて。でも、改めて聴くと、活動休止の思いを込めているようにも聞こえますね。ファンのみんなを想って書いたのは『This Is Wher We Promise』です。“サヨナラは言わないよ/またここで会えると/僕らの約束に絶対しようよ”という歌詞は、音楽を通して、またみんなと会えたらいいなと願いを込めて書きました」

ファンのみんなは、家族や友人、恋人みたいなものだと思っている

──これからの予定について教えてください。

「ソロとAAAのライブがあるので、まずはライブを成功させること。その後はまだ何も決まってません。コロナが落ち着いたら、旅行をしたいし、ライフスタイルや美容や健康の情報を発信するとか、やりたいことはたくさんあるので、ひとつずつ実現できたら。LAの人は、美容と健康にものすごく気遣っているんです。僕も興味のある分野なので、新しい情報や自分のポジティブな考え方をシェアして、みんながベターライフを送る手助けになれれたらと思っています」

──それはパフォーマンスや音楽ではなく、他のことで?

「テレビかSNSか、まだ何も決まっていないけど、自分の言葉で発信していきたい。もう人数の問題じゃない気がするんです。もちろん、トークショーやライブでたくさんの人が来てくれるのはすごく嬉しいことですけど、これからは、僕のライフスタイルや考え方に興味を持ってくれる人や、僕を待っていてくれるファンに届けていこうと思っています」

──プロデュースするブランド「446 – DOUBLE FOUR SIX-」からも、発信を続けていくのでしょうか。

「そうですね。今はアパレルを中心に展開していますが、ホームアイテムも含め、美容・健康の情報もここから発信していこうと計画中です」

──休止といっても、ファンの前から完全に姿を消すということではないんですね。

「実は、AAAが帰ってくるまで、自分も全ての芸能活動もSNSも休止しようと考えたことがあったんです。友達やスタッフと何度も話し合ったり、ファンの方からもらったコメントを読んだりして、自分を必要としてくれる人がひとりでもいるなら、突然、100を0にするのも自分勝手だなと思ったんです。きっと、僕みたいなタイプの芸能人ってあまりいないと思うんですよ。日本のグループに所属していながら、LAに住んでみるとか。それでもついてきてくれる人がいるなら、発信は続けていこうと。AAAが復活したら、僕も戻ってきますしね」

──與さんと一緒に走ってきたファンの方も多いですから。

「AAAが青春の一部だといってくれる人もたくさんいます。結婚したと報告してくれたり、トークショーにお子さんを連れてきてくれたり、みんなと一緒に歳を重ねていますね」

これからは、自分らしい人生をクリエイトしていく

──改めて、AAAでの16年間で学んだ一番大きなことは?

「たくさんあるけれど、一番はひとりでは生きていけないということ。年齢や経験を重ねるにつれて、メンバーやスタッフが支えてくれるありがたさ、出会いの大切さを感じています。特に3年前にソロでアリーナツアーをしたとき、今までどれだけメンバーに助けられていたのか、改めて実感しました」

──活動を休止することはメンバーに相談しましたか?

「宇野ちゃんには発表前に言ったけど、他のメンバーはどうだったかな(笑)。でも、相談はしてません。自分で決めました」

──ほかのメンバーも様々な活動をしていますが、刺激を受けたり?

「もちろんみんなの活動は応援しているけど、それで自分が影響されることはないですね。もし、ずっと日本にいたら、メンバーと自分を比べて焦っていたかもしれません。今、LAに拠点があって、向こうに友達もやりたいこともあるから、いい意味で、影響されないんだと思います」

──LAに拠点を置いたことは、ご自身にとって大きなことだったんですね。

「LAの友達は、自分とは違うベクトルを持っていて、いろんな意見をくれるんです。成功している人、普通に暮らしている人、いろんな友達がいるんですけど、彼らと人生についての話をたくさんするんですね。日本では芸能界だけだったけど、LAでいろんな人と繋がっていく中で、考え方も変わってきました。でも、LAのことばかり褒めてるみたいですけど、日本もすごく好きなんですよ。他人を気遣う文化は日本のいいところです。自分は物事をはっきり言いすぎる傾向があって、日本だと誰かを傷つけてないか心配なんですけど、アメリカはそれが普通なので、すごく気が楽ではありますね」

──今後の拠点はLAですか?

「しばらくLAにいると思います。でも、コロナの状況が落ち着いたらイギリスやスペイン、カナダにも、アメリカの他の街にも住んでみたい。最近、もっと世界を見たくなってきました。国や地域によって人の考え方も雰囲気も違うから、いろんな場所に身を置いていろんな価値観を体感をしてみたい。理想は60歳になったらハワイに移住して、70歳で医療のしっかりした日本に戻ってくること(笑)。人生は短いから楽しまないと」

──2年前のインタビューでも、「夢は楽しく生きること」と言っていますが、それは今でも?

「もちろん! 仕事もプライベートも楽しみたいと思います」

2nd アルバム『THIS IS WHERE PROMISE』
https://avex.jp/atae/discography/
発売日/2021年8月11日
価格/
完全受注生産限定盤・超豪華スペシャルBOX
(アルバム+DVD+写真集+あなたのお名前入り豪華BOX+スマプラ)¥21,868
初回限定版(アルバム+DVD(スマプラ対応))¥4,400
通常盤(スマプラ対応) ¥3,300
音楽配信サイト/https://avex.lnk.to/THISISWHEREWEPROMISE
Instagram/@shinjiroatae1126
Staff Instagram/@shinjiroatae_mg
Twitter/@A_Shinjirooooo
Website/https://avex.jp/atae/

SHINJIRO ATAE ARENA TOUR -THIS IS WHERE WE PROMISE-
特別先着受付実施中
受付URL/http://r.y-tickets.jp/ataeshinjiro2102
※予定枚数に達し次第終了。

Photos:Takao Iwasawa Styling : Taiji Goto (SMB International.) Hair & Makeup : Maki Sato Interview & Text:Miho Matsuda Edit:Shiori Kajiyama

Profile

與真司郎Shinjiro Atae 1988年、京都府生まれ。2005年ダンスパフォーマンスグループ「AAA」のメンバーとして、シングル『BLOOD on FIRE』でデビュー。同年、第47回日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞。以降、AAAとして7回の紅白出場を達成、、また映画、舞台、ドラマなど幅広く活動。2016年にアメリカ・ロサンゼルスに移住し、カリフォルニアの大学に留学。2017年、自身のブランド「I AM WHAT I AM」を立ち上げる。2018年ソロアルバム『THIS IS WHO I AM』をリリースし、2019年に3会場6公演のツアーを行う。2020年12月31日、AAAが活動休止。2021年8月11日『THIS IS WHERE WE PROMISE』をリリース。9月〜10月のアリーナツアーをもってアーティスト活動を休止する。

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