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『もっとオシャレな人って思われたい!』清川あさみ × 峰なゆか スペシャル対談

峰なゆかによる小誌連載を書籍化した『オシャレな人って思われたい!』。2巻目の発売を記念し、アーティストとして国内外で活動する清川あさみとの対談を実施。真のオシャレな人とは何かを探るべく、それぞれのオシャレ観を本音で語ってもらいました。個性派二人の意外な共通点とは?(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年1・2月合併号掲載)

自分を培ったオシャレのルーツ

清川あさみ(以下K)「今回、峰さんから対談のお話をいただいたのは、嬉しくも意外でした!」

峰なゆか(以下M)「ええ! まったく意外ではないはずですよ。私たち世代は学生時代の“オシャレな人”といえば清川さんでしたから。スナップ雑誌を席巻されてましたよね。清川さんがファッションに目覚めたきっかけは?」

K「私は淡路島の出身なんで、フェリーに乗ってよく神戸まで買い物に行っていたんですよ。そこで出会ったヴィヴィアン・ウエストウッドやコム デ ギャルソンにときめいちゃって。16歳の頃だったかな」

M「オシャレ業界の人って意外と東京出身者より、地方のオシャレと縁遠いところで育った方が多い気がしています」

K「地元では情報がないし、当時はインターネットもないから自分でオシャレの工夫して発信するしかない。『イケてる』の線引きも曖昧だから、バンドをしたり仲間を作って試行錯誤していました。峰さんは?」

M「私は岐阜県出身なんですけど、小さい頃からお裁縫に興味があって、小学生になったらミシンを使わせてもらう約束を親としていたんです。シーツで、でかいキャミワンピを作ったのがファッションに目覚めたきっかけですね」

K「90年代は服を手作りするのが流行っていたよね。雑誌でリメイク術とか紹介していたからなあ。懐かしい! 文化服装学院のアパレルデザイン科に通っていたんだけど、入学式にどれくらい大きなスカートをはくかを競うような雰囲気があって」

M「実は、私も文化のアパレルデザイン科だったんです……」

K「え! じゃあ、後輩? うそ〜(笑)嬉しい。課題が多くて大変だったよね。デザイナー目指してたの?」

M「地元の女子は、ファッションかヘアメイクの専門学校に進学することが『イケてる』証拠だったんですよ。だから『イケてる』と言われたいがために進学しました(笑)」

(右)『Zipper』2000年3月号(左)清川さん私物
(右)『Zipper』2000年3月号(左)清川さん私物

K「私は洋服を作るよりも着る方が好きだったな。古着屋でバイトしていた頃は流行っていたリメイクデニムやブランドのヴィンテージ、裏原系、スケーターブランドとかを好んで着ていました。モデルの仕事もしていたんだけど、スタイリングもヘアメイクも全部セルフ。リースまで自分で回っていたんで本当にバタバタでした。峰さんは、どんな服を着てました?」

M「ゴスロリみたいな服。当時、学校ではコム デ ギャルソンを着ていないとダサいみたいな風潮があって。1年生は服がカラフルなんですけど、3年生になるとみんな服が黒くなって髪型がおかっぱになるという……。ある種の窮屈さを感じていましたね。それで漫画を描き始めたんです!」

それぞれの思う、オシャレな人像について

M「オシャレな人であることよりも『この人オシャレだな』って思われたい気持ちが強すぎるんです。着る服も、オシャレに詳しくない人が『これはオシャレなのではないか?」と誤解してしまいそうな“透けた素材でパンツが見える服”や“パターンがやたら複雑な服”みたいな飛び道具的なものに走りがち。さりげないオシャレではなく、明らかにオシャレをしていることを全方位的に伝えたいんですよね」

K「縫い目が表に出ていたりね(笑)。私がオシャレだと思うのは、年齢相応、体型相応で、その人にぴったりなバランスの人。いろいろなものが服にくっついているのはコンプレックスの裏返しにも見えるから、引き算上手な人がいいなと思います。あとは頑張りすぎず、でも場面によっては華やかに着飾れて現状の自分を楽しんでいる人はいいですね」

M「何ですかそれ……。感覚的すぎて難しい! そして、レベルが高すぎてわからない!」

K「あとは、人間自体が魅力的だと「オシャレに見えちゃう」というのはあるかな。本当に極論だけど。全身スウェットでも、なんかオシャレに見えちゃう人もいるし。ところで、なんでオシャレな人だと思われたいの?」

M「オシャレな人を上級国民だと思っていて、仲間に入れてもらいたいんです。オシャレな人の中にいると、岐阜の泥くせえ匂いが出てないかが気になって。清川さんは、オシャレな人って思われたい願望はあるんですか?」

K「まったく思ってないです! 好きな服を好きなタイミングで着たい。それだけ。誰かに『ダサいよね』と言われても、それはしょうがないと思う。趣味が合わないんだなって」

M「きゃー(笑)クッソー。やっぱりそうなのか! バッサリ!」

K「その場にふさわしい洋服を選んで、たまに『面白い服着ていますね』って言われたら嬉しいかな。大人の社交のルールはきちんと守りつつ、オシャレを楽しみたいと思ってます!」

峰なゆかによる小誌連載「ふんいき美人ちゃん」の書籍化第2弾!

オシャレしたいし、モテたいし、女ウケも欲しいし痩せたいし老けたくないし、でもなるべくお金はかけたくないし、痛いって思われたくない! そんなアラサー女性のリアルな欲望をすべて叶えるべく始まった峰なゆかによるイラストエッセイ。「モテたい」時代は幕をとじ、美魔女を目指すのもちょっと違う、そう、今って「オシャレな人だと思われる」ことこそが一番のステイタス。でも「頑張りすぎる」とオシャレじゃない…。「オシャレな人って思われたい」という気持ちを動機に著者が経験したさまざまな実体験を収録!!

 

Photo : Harumi Obama Interview & Text : Aika Kawada Edit : Yuko Aoki

Profile

清川あさみAsami Kiyokawa 2001年に初個展。2003年に写真に刺繍を施す作品で注⽬され、国内外の美術館で展覧会を多数開催。アーティスト活動を中⼼に、空間や映像、プロダクトなど、さまざまなプロデュースやクリエイティブディレクションも⼿がける。
峰なゆかNayuka Mine 漫画家。文筆家。著書には、テレビドラマ化された『アラサーちゃん 無修正(1〜7巻) 』(SPA! コミックス)、一般男性とデートした闘いの記録を漫画化した『女くどき飯』、『恋愛カースト』(宝島SUGOI文庫 犬山紙子氏と共著)などがある。

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