People / Interview

神童、ジェイデン・スミスにインタビュー
「死ぬ前に痕跡を残したい」

俳優ウィル・スミス(Will Smith)の息子で、俳優、ラッパーとして活躍するジェイデン・スミス(Jaden Smith)が本誌特集「ゲームチェンジャーがやって来た!(Game Changer)」に登場。独特の世界観を見せるユニークなロングインタビューの中から一部を抜粋してご紹介。

Jaden Smith
Jaden Smith

18歳にして、映画界、音楽界とモード界の間を渡り歩きながら、時代の空気感を的確に体現しているジェイデン・スミス。アーティスティックなだけでなく、どこか不思議で空想的、愛嬌のある独特の存在感によってルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)を魅了し、レディスラインの広告塔に抜擢されるに至った。この若きゲームチェンジャー、ジェイデン・スミスとは何者なのか?

世の中は狼を恐れる羊の群れと同じ

「ガリレオ・ガリレイの時代から人々は理解できないことを認めようとしませんでした。人間の特性です。僕についていえば、僕が着ようと選んだ服も、歌詞に使う言葉も完全には受け入れられていません。僕の言動の多くはクレイジーなものと思われています。ルイ・ヴィトンのキャンペーンに出演したとき、ある人たちの反応は最悪です。異質なものは全て拒む。でも、彼らを恨むことはできません。それが一般的な反応ですから。羊の群れと同じで、羊は狼が出てくると恐れるように、世の中も同じように機能しているんです」

Just Finished My New Bed……Sweeve

Jaden Smithさん(@c.syresmith)が投稿した写真 –

「男らしさは僕にとって大切だけれど、それだけではない。男性のエナジーと女性のエナジー、この二つの力が作用して世界のバランスは取れているのです。満足感と健康はバランスから生まれると言われることがありますが、同感です。男性と女性が世界をもっと耐えられる場所にし、みんなにとって持続可能なところにしているんです。これら二つの力がなければ、つらいことばかりになってしまう。僕は日常生活から、このバランスをリスペクトするよう心がけています。手を使うとき、ベッドを作るために木を切るときは(実際に自分でベッドを作っている様子がインスタグラムにアップされている)、男性エナジーを感じるし、女性的エナジーは、たぶん、私が着たい好きな服や私のシルエットや、色を通して自己表現しようという選び方に出ています」

The Get Down
The Get Down

ヒップホップの生まれた時代が好き

ネットフリックス(Netflix)で、この夏から配信されているバズ・ラーマン(Baz Luhrmann)監督のネットドラマ『ゲットダウン(THE GET DOWN)』は、70年代のニューヨークで生まれたヒップホップの起源を描いている。ジェイデン・スミスは刺激を求めるグラフィティアーティスト役を演じる。『ムーラン・ルージュ』と『ロミオ+ジュリエット』の監督が描きあげる色彩豊かな世界で、ジェイデン・スミスは水を得た魚のように、居心地よく感じている。

「『ゲットダウン』での僕の役はディジーといって、ずっとスプレーでグラフィティを描き続けています。僕とすごく重なる部分があります。違いは、彼が77年のブロンクスに住んでいるということくらい。そのことが彼にいくつかの扉を閉じさせていて、たぶん僕ほどオープンではありません。僕はヒップホップが生まれた時代がとても好きで、このドラマにどうしても参加したかったんです。プロデューサーのグランドマスター・フラッシュはすごい男で、彼と交流する素晴らしい機会を得られてラッキーです。バズ・ラーマン監督も最高。すごいグラフィティアーティストたちとも出会いました。このドラマにはナズ…とか、いいキャストが採用されています」

The Get Down
The Get Down

死ぬ前に生きていた痕跡を残したい

「『ゲットダウン』はある重要な文化とある時代の動きを、77年のビッグアップルで起こった社会問題を背景にした刺激的な作品ですが、全体的にはポジティブで陽気なムードが漂っています。そこでは、暴力は決して解決になりません。僕がしたいことは、世の中を助け、世の中をよりよくすることです。死ぬ前に痕跡を残したい。“彼が生きていたときの世の中はああだったけれど、彼が逝ってしまった今はこうだ。彼はもういないが、彼に感謝しよう”と人々に言ってもらいたいんです」

続きは本誌に掲載。

ヌメロ・トウキョウ 2017年1・2月合併号はこちら

Interview &Text:Olivier Joyard
Translation:Tomoko Tamura
Edit:Masumi Sasaki

Profile

Jaden Smith(ジェイデン・スミス) 1998年7月8日生まれ。両親は俳優ウィル・スミスと女優ジェイダ・ピンスケット=スミス。2006年、映画『幸せのちから』で父との共演で俳優デビュー。主な出演作『地球が静止する日』『ベスト・キッド』『アフター・アース』、Netflixオリジナルドラマ『ゲットダウン』パート1配信中。自身のファッションブランドMSFTSrepも手がける。

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