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People Interview

小籔千豊、くっきー、中嶋イッキュウ、川谷絵音、新垣隆の本気バンド「ジェニーハイ」始動

小籔千豊、くっきー(野性爆弾)、中嶋イッキュウ(tricot)、新垣隆、川谷絵音によるバンド「ジェニーハイ」がデビュー。バンド名の「ジェニー(genie)」はフランス語で「天才」、それに英語の「ハイ(high)」を付けた造語。それぞれのフィールドで活躍する5人が集まり、天才を超えた異色のバンドが誕生した。ロケで欠席のくっきーを除く4人に、バンド結成の経緯、1stミニアルバム『ジェニーハイ』制作のいきさつやこのバンドでの目標を聞いた。

どうせやるなら本格的に。日本で一番上手い2人にオファーを出した

──ジェニーハイを結成するきっかけは?

小籔千豊(以下、小籔)「僕とくっきー(野性爆弾)という芸人2人と、tricotのボーカル・ギターを担当する中嶋イッキュウさんの3人で、BSスカパー『BAZOOKA!!!』のMCを担当していたんです。番組スタッフが『イッキュウさんというバリバリの方がレギュラーになったので、3ピースバンドやりましょう』と言い出したんですね。くっきーはずっとバンドでギターをやっていて、僕もドラムを練習していたので、それならバンドできますよね、と。でも、どうせやるなら、本気のバンドにしないと意味がない。それには、エグいくらい上手い人を補強せなあかん。それで、川谷絵音さんと新垣隆さんにダメもとでオファーを出したんです。お二人が引き受けてくださって、『ジェニーハイ』結成に至りました」

──なぜ、そのお2人だったんでしょうか。

小籔「川谷さんは、僕が彼のファンだったという単純な理由です。新垣さんは、あの騒動の後に初めてテレビ出演してくださったのが『BAZOOKA!!!』で、コヤブソニックにも出演してくれて、僕が知る中では日本で一番鍵盤が上手い人だから。それに、この2人は世間を騒がしたコンビでもあるので、無茶苦茶パンチもあります」

──確かにパンチもスキルも日本屈指のお2人です。川谷さんと新垣さんは、なぜこのオファーを引き受けたんですか。

川谷絵音(以下、川谷P)「ただ、楽しそうだなと思ったので。最初はプロデューサーとして曲作りだけだったんですが、途中からギター担当のメンバーとして入ることになりました。5人組のバンドの立ち姿を見て、結果として加入して良かったと思っています」

──「indigo la End」「ゲスの極み乙女。」「ichikoro」に続き、4バンドをかけもちすることになりますね。

川谷P「そうですね。でも、結果的に増えたなという感じで、全く抵抗はありません」

小籔「普通、4つも掛け持ちするとスケジュール調整が難しいと思うんですよ。インスタを見ると、ずっと仕事してはるんで」

川谷P「3つのバンドは僕がスケジュールの決定権を持っているので、調整できるんですよ」

──でも、5人全員のスケジュール調整が難しそうですよね。

小籔「それぞれに活動していますから。今日も、くっきーはロケに行っていますしね」

「どんなことでもやる」一流音楽家“ガッキー”の内に秘めたる情熱

──新垣さんはなぜ引き受けたんですか?

新垣隆(以下、ガッキー)「あの騒動の2ヶ月後に音楽家として『BAZOOKA!!!』に呼んでくださったんです。どうなるかわからない状態での初めてのテレビ出演で、僕自身、それにすごく助けられたんです。その後も、小籔さんは番組やイベントに音楽家として呼んでくださって。その流れでのお話だったので、断る理由はありませんでした。どんなことでもやります」

小籔「『BAZOOKA!!!』の後、たくさんテレビにも出演されたのに、僕らのことを忘れないでいてくれて。ガッキーは一流の音楽家であり、普段は物静かで声も小さくて、何を言ってるかわからないこともありますが、義理人情を大切にする熱い方なんです。よう入ってきてくれはりました」

──バンド内では「ガッキー」と呼ばれてるんですね。

小籔「まごころ込めて、そう呼ばせてもらっています」

──初回盤CDには、特典映像『Room of Takashi』が付いていますが、バンドのマスコットというか、象徴というか、そういった役割もあるのでしょうか。

小籔「ガッキーは本来、僕らがいじったりできないくらいの立派な音楽家なので、現代音楽やクラシックの方からすると『何してくれてんねん』と不満に思われるかもしれません。でも、僕としては、メンバーのみんなが死ぬ前に『ジェニーハイに関わって良かった』と思ってくれるようなものにしたいので、ガッキーにもメリットがあるようにとは思っているんです。このバンドでガッキーの魅力に気付いて、彼の作品や現代音楽、クラシックを聴いてくれたら嬉しいです。もちろん、川谷Pの『indigo la End』『ゲスの極み乙女。』『ichikoro』も聴いてほしいし、イッキュウさんの『tricot』のライブにも足を運んでほしいですね」

──特典映像で、新垣さんは司会に挑戦していますね。

ガッキー「これからは、司会業も視野に入れていこうと思います」

小籔「ガッキーがもし、昼間の帯番組で司会をしたいというなら、僕らもどんどんサポートしますよ。プロデューサーが司会者を探していれば、推薦しますし」

川谷P「でも、マイクをたくさんつけないと、声が拾えないかもしれませんね」

あの騒動の1ヶ月後に「私以外私じゃないの」を披露していた

──イッキュウさんは、こんな流れになると思っていましたか?

中嶋イッキュウ(以下、イッキュウ)「いや全く。でも、自分のバンド『tricot』で絵音さんと一緒にツアーを回ったことがあったので、面白いことが好きだということは知っていたんですね。小籔さんからプロデューサーに絵音さんの名前が挙がった時、OKしそうやなと感じていました。まさか、メンバーになって一緒に演奏してくれるとは思いませんでしたけど」

──そもそも、小籔さんは、この5人でどんなバンドにしようと思っていたんですか?

小籔「構想のようなものは何もないですね。素人が下手に考えるより、プロに任せたほうがいいので、手ぶらでオファーしに行きました。バンドの方向性は、川谷Pにお任せです。PっていうのはプロデューサーのPですよ」

──川谷Pは何もない状態から、バンドのコンセプトを作っていったんですか?

川谷P「イメージも何もないから、取りあえずキャッチーでいい曲を作ろうと思いました。曲のアレンジは新垣さんがいるから、現代音楽のような難しい展開を入れたり、歌詞もイッキュウが歌いそうな感じのものにしたり、番組名『BAZOOKA!!!』を使ったり。ラップの歌詞もそれぞれの特徴が出るようにはしましたけど、それくらいですね」

小籔「この5人でバンドって、イメージが湧きにくいですよね」

──笑いの要素を盛り込む予定は?

小籔「川谷Pは最初から、『ふざけた感じにはしません』と言い切ってましたよね」

川谷P「狙ってふざけてるバンドが好きじゃないんですよ。それに、芸人さんのバンドというと舐めてかかってくる人もいるので、そこでバシッと演奏したらカッコいいなと」

小籔「この5人は音楽のために集まってるので、お笑いはいらないですよね」

──小籔さんとくっきーさんの演奏技術が、どのくらいなのかはご存知だったんですか?

小籔「僕は、『ジェニーハイ』以外にもコピーバンドをやってまして、『私以外私じゃないの』を練習していたことがあったんです。そのバンドの演奏が2016年2月に初お披露目で、それまで1年間ずっと練習してたんですけど、1月に川谷さんの騒動が持ち上がって、2月に演奏を披露したら『今この曲を選ぶとは、小籔さん、さすがですね』と言われて。たまたまなんですけど」

川谷P「(笑)。小籔さんがコピーしていたのは知っていたので、『私以外私じゃないの』で使うテクニックを盛り込みました。ベースのくっきーさんもギターをやっていたので、飲み込みが早いですよね。楽曲については、いつもよりシンプルに作ろうと思ったくらいですが、ちゃんとそれぞれの個性を反映した音に仕上がっています。それに、シンプルなビートだからこそ映える歌詞もあるんだなと、このバンドで勉強させてもらいました」

小籔「今年はドラムの練習に明け暮れました。レコーディングの前は、仕事の合間に毎日スタジオ通いしてました。それくらい練習しないと間に合わんので。飲みに行かなくなったので、家計も楽だと嫁はんが喜んでいます。肝臓的にもだいぶ健康になりました」

インスタのタグは「beyonce」「victoriassecret」

──1stミニアルバム『ジェニーハイ』は、オリジナル曲6曲を収録していますが、曲作りはどのように?

川谷P「『片目で異常に恋してる』は、『苦しゅうない』という言葉を使いたかったんですよ。いつか使いたいとずっとメモしてあった言葉で、これを曲の冒頭に使うとかなりパンチがあるし、絶対にキャッチーになるので。そこからコード進行を作りましたけど、その他の曲はほとんど即興でした」

──言葉のストックはたくさんあるんですか?

川谷P「ここ最近もけっこう増えました。パッと思いつくときもあれば、電車の中で耳に入って来た言葉とか、歩いているときに誰かの会話を盗み聞きして気になった言葉をメモしています」

──電車に乗ってるんですね。

川谷P「そうですね、普通に」

──イッキュウさんは「ジェニーハイ」のフロントマンとして、どんな女性像をイメージしていますか?

イッキュウ「自分のバンド『tricot』はライブの回数が多いので、フロントマンとしてのパフォーマンスが掴めるんですけど、『ジェニーハイ』はまだライブの回数が少ないので手探りです。頭で考えるよりも、好きなようにやっていけたらとは思っています」

川谷P「フロントマンはライブの盛り上がりに直接、関わってくるから、ライブをこなすとそのポイントが分かるんですけど、これまでライブも少なかったし『ジェニーハイ』としての音源もなかったので。みんなが曲を覚えてくれると、盛り上がるポイントが出てくるので、真価が問われるのはこれからですね」

──新垣さん、MCなどライブに向けての意気込みは?

ガッキー「ラップだけは勘弁してほしいです」

小籔「歌詞カードを見ながらのラップもいい味出していますよ。それに、ガッキーはちょいちょいボケたりするんですよ。でも、お客さんは笑っていいのか戸惑うこともあるので、そこは芸人として橋渡しをしていきたいです」

イッキュウ「この前、新垣さんのコンサートに行ったんです。合間のMCがすごく面白くて、観客のみなさんも笑ってらっしゃいました。『ジェニーハイ』を聴いてくださる方も、そろそろ新垣さんの魅力に気付き始めてるんじゃないかな」

川谷P「ジェニーハイのインスタでも、新垣さんのタグは『beyonce』になってますよね」

イッキュウ「新垣さんインスタやってないから」

小籔「僕のインスタでガッキーは『victoriassecret』のタグにしてます。僕自身は、尊敬を込めて『mirandakerr』にしているんですけど。ヴィクトリア・シークレットのインスタを見ると僕らがいるんですよ」

川谷P「間口を広げるという意味では、いいんじゃないですか」

イッキュウ「新垣さんが、服の中に着ていると思われるかもしれませんけど」

──最後にこのバンドが目指す最終目標は?

小籔「このバンドを始めた当初は、『この5人で紅白に』なんて話もしてましたけど、それは宝くじ買うて5億当たったらどうする?という話と一緒で。曲をもらって、練習して、フェスやイベントに出演して、CDをリリースすることになって、目標はどんどん現実的になりました。今はライブがしたいし、とにかくいい曲やから、みんなに聴いてもらいたい。ライブ終わりに5人で飲みに行けたら最高です」

何かとお騒がせな「ジェニーハイ」がデビューミニアルバムを発売!

お笑い芸人と第一線で活躍するミュージシャンの5人で結成したバンド「ジェニーハイ」。BSスカパー!の番組『BAZOOKA!!!』の番組プロモーションを目的に始まった企画だが、デビューミニアルバム「ジェニーハイ」はiTunesとApple Musicで1位を獲得するなど話題を呼んでいる。

「やるからには本気で」と言うように、川谷絵音による楽曲にはお笑い要素はゼロ。もともと、「コヤブソニック」の主催や自身が率いるバンド・吉本新喜劇ィズでドラムの経験がある小籔と、10年以上バンドでギターを担当していたくっきーという音楽のベースがある2人が、忙しい本業の合間を縫って本気で練習を積み重ねた。

さらに、小籔が「知ってる中では日本で一番上手い」という新垣隆の超絶テクニック、イッキュウの切なく甘やかなボーカル、川谷絵音のテクニカルなギターが重なり、他ではお目にかかれない「ジェニーハイ」だけの音を作り上げている。

それは公開中のMVを見れば一目瞭然。まずは聴いてみて感じてみよう。


「ランデブーに逃避行(LIVE ver.)」映像

「ラップだけはちょっと…」と新垣さんが戸惑うラップは、「ジェニーハイ」でしか聴けないかもしれない。


全員がRAPに挑む「ジェニーハイのテーマ」スペシャル映像

12月にはCROSS FM 25th Anniversary MUSIC JUNCTION 2018にも出演が決定。まずはミニアルバム「ジェニーハイ」をチェック!

初回限定版盤(CD/DVD)¥2,000 ※DVD特典映像「Room of Takashi」<br />
初回限定版盤(CD/DVD)¥2,000 ※DVD特典映像「Room of Takashi」

通常盤(CD)¥1,500
通常盤(CD)¥1,500

ジェニーハイ『ジェニーハイ』

(unBORDE/Warner Music)
URL/http://genie-high.com/

Profile

ジェニーハイ(Genie-High)BSスカパー!の番組『BAZOOKA!!!』によって2017年7月31日に結成されたバンド。メンバーはバンド「tricot」で活躍するイッキュウ(Vocal)、野性爆弾のくっきー(Bass & Vocal)、小籔千豊(Drum & Vocal)に加え、新垣隆(Keyboard & Vocal)、川谷絵音(Guitar & Vocal兼プロデュース)を迎えた。これまでフェスやイベントなどに出演。デビューアルバムとなるミニアルバム『ジェニーハイ』が10月に発売されたばかり。

Photos:Masakazu Kouga Interview&Text:Miho Mtsuda Edit:Masumi Sasaki

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